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【世界一の君】3 ★ ページ3

「何回もやってるし。つかミリ単位で触れてねーから。」

嘘だけど。
頬同士をくっつけるとかの挨拶はやらないけど、妻とのハグを拒むようでは、いくら友達夫婦でもある意味人間的に終わってるわ。

「それ逆に神業だね。」

お互い冗談を言い合いながら、最初に表彰台へと向かうハビに拍手を送る。

次に銀メダルである昌磨が呼ばれて、リンクサイドにいる選手は自分だけになった。

氷上でハビと昌磨がお互いを讃えあっている姿にまた拍手を送りつつ、そしていよいよ1位である俺の番がくるのだが…。

「王子!!」

突然誰かに呼ばれて、弾かれるように振り向く。
すると側近であるまっちーが息を切らしてリンクサイドへ入って来ていた。

その慌てた様子に、何かあったのかと首をかしげていると…。

『ゴールドメダリスト、ユヅルハニュー!』

「あっ。」

タイミングの悪いことに優勝者として名前を呼ばれてしまって、リンクに出ざるを得なくなる。

仕方ない。話は後でゆっくり聞く事にして、今はスケーターとして表彰式を優先させよう。

俺はいつものように右足から入って、軽く手で氷に触れてから勢い良くリンク中央へと滑り出す。

そしてお客さんの歓声に笑顔で応えて、これから皆と一番幸せな時間を迎えるのだ。

「ありがとー!」

四方に挨拶してからそのまま一番高い表彰台へジャンプして乗る。

毎回同じようで違うこの光景を目に焼き付けながら、レッドカーペットを歩いてくる佳菜子を待つ途中、なんとなくもう一度王族の観覧室に視線を向けてみるのだが…。

やっぱりAいないな…。
寒いから退室したのだろうか。
何にせよ、帰ったら首に金メダルをかけて一緒に喜びを分かち合わなきゃ。

今日は無理でも明日二人で祝勝会してー、投げ込んでくれたプーをどこに飾るか決めてー…。

「ゆづくんにやにやしすぎだよ。もう佳菜子ちゃんそこまで来てるよ?」

これからのことを妄想していると、不意に昌磨からこそっと突っ込みが入る。

「え。あぁ、ほんとだ。」

気付いたらメダルを持って来た関係者と共に、去年と同様、佳菜がすぐ側に立っていた。
でもその表情は、なぜか硬い。

…緊張してるのかな。
いや、佳菜は緊張とは無縁の生き物だから、これは何かどっきり系のやつを企んでいるのかもしれない。

油断できねぇぞと身構えたら、メダルを手にした佳菜がごく自然にぽつりと言葉を発した。

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鹿(プロフ) - yuccoちゃんさん» 出産シーンはあまりリアルになり過ぎず、気を付けたのですが^^;羽生さんなら立ち合いそうじゃないですか?いつか本人も、親になってほしいです^^ (6月24日 17時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - りんりさん» ありがとうございました!何度でも読んでください^^私も読みます!とっても長いので、時間のあるときにでも。いつでもお気軽にコメント書いてくださいね!妄想を受け止めてくださり、ありがとうございました! (6月24日 17時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
yuccoちゃん(プロフ) - 完結おめでとうございます!とても楽しく読ませていただきましたー!やっぱりゆづは王子だよね!(´ー`*)次の作品も楽しみにしています。出産シーンのゆづが駆けつけて来た時の表現にキュンキュンしました!(*´ `) (6月23日 22時) (レス) id: f1f31ef53f (このIDを非表示/違反報告)
りんり(プロフ) - 初めまして。氷の国、ずっと楽しく読ませていただいていました。完結、おめでとうございます^^私ごとながら先日、FOIにて初めて結弦王子を生で見て、もう一度この小説を最初から読みたい気持ちに駆られています。次作も楽しみに読ませていただきますね! (6月23日 17時) (レス) id: 6a04cdba45 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 心菜さん» やっぱりその時その時に羽生さんを投影させていると、楽しいです^^あれもこれもまだ書いてないエピソードもありますが、ちょっと気分転換もいいかなと、ちょっと強引に終わりましたが^^;また何か書ければいいなと思います! (6月13日 17時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鹿 | 作成日時:2019年5月25日 9時

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