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【SEIMEI】10 ☆ ページ19

☆主人公サイド

「ふあぁ〜…。佳菜ももう部屋に戻るね。A、また明日ね!」

再び大きなあくびをして、佳菜子さまも部屋を出ていく。

「お休みなさいませ…今日はありがとうございました。」

その後ろ姿にお礼を言うと、手だけ振って返してくれた。
ぱたんと扉が閉まって、賑やかだった空間が一気に静まり返る。

「……。」

寝返りでシーツがこすれる音でさえ耳につく中、ふと隣で眠る我が子…いや、翔くんの頬を突っつくと、ゆづ王子が覗き込むようにお顔を近づけてきた。

「寝てる…?」

「はい…すやすやと。」

この世に生を受けてまだ数時間。
小さくて柔らかい桃のような頬は、何度触れてみても飽きることがない。

「ぷにぷにだね…。」

「食べちゃいたいです…。」

「……。」

「……。」

ゆづ王子と私の赤ちゃんがここにいる…。
それだけで、なんて幸せな気持ちにさせてくれるのだろう。
まるで心の中が浄化されるようだ。

「Aも抱っこする…?」

「え…。」

不意にゆづ王子が言った言葉に、弾かれるように顔を上げる。

「起きれる?」

「えと…。」

でもそれはちょっと無理かなと考えていると…。

「じゃあ横になったまま抱っこしよ。腕出して。」

柔らかな布団の中から、言われた通り腕を出したら、ゆづ王子がおくるみにくるまれた翔くんの頭を私の左肩辺りに来るように置いて、腕枕のようにしてくれた。

「そのままそっちの手を上にして〜…そうそう。」

右手を添えるようにすると、ちゃんと抱きかかえるような形になる。

「どうですか…?」

「うん!上出来。」

音は出ないけど、パチパチと小さく手を叩く真似をしてくれるゆづ王子。

「かわいいです…。」

「佳菜も抱いてから帰ればよかったのにね。」

「あ…。」

そうだ…。2番目に抱っこしてくださいって言ったのに、すっかりタイミングを忘れてしまっていた。

「今、抱っこしてもらってないって思ったでしょ。」

「はい…。」

「それたぶんわざとだよ。」

「わざと…?」

「2番目はAにって思ったんじゃない?きっと。」

やっぱりそうなのかな…。
以前、母親は私だということを教えなきゃだめだよとおっしゃっていたから、これは佳菜子さまなりの気遣いなのだろうか。

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鹿(プロフ) - yuccoちゃんさん» 出産シーンはあまりリアルになり過ぎず、気を付けたのですが^^;羽生さんなら立ち合いそうじゃないですか?いつか本人も、親になってほしいです^^ (2019年6月24日 17時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - りんりさん» ありがとうございました!何度でも読んでください^^私も読みます!とっても長いので、時間のあるときにでも。いつでもお気軽にコメント書いてくださいね!妄想を受け止めてくださり、ありがとうございました! (2019年6月24日 17時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
yuccoちゃん(プロフ) - 完結おめでとうございます!とても楽しく読ませていただきましたー!やっぱりゆづは王子だよね!(´ー`*)次の作品も楽しみにしています。出産シーンのゆづが駆けつけて来た時の表現にキュンキュンしました!(*´ `) (2019年6月23日 22時) (レス) id: f1f31ef53f (このIDを非表示/違反報告)
りんり(プロフ) - 初めまして。氷の国、ずっと楽しく読ませていただいていました。完結、おめでとうございます^^私ごとながら先日、FOIにて初めて結弦王子を生で見て、もう一度この小説を最初から読みたい気持ちに駆られています。次作も楽しみに読ませていただきますね! (2019年6月23日 17時) (レス) id: 6a04cdba45 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 心菜さん» やっぱりその時その時に羽生さんを投影させていると、楽しいです^^あれもこれもまだ書いてないエピソードもありますが、ちょっと気分転換もいいかなと、ちょっと強引に終わりましたが^^;また何か書ければいいなと思います! (2019年6月13日 17時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鹿 | 作成日時:2019年5月25日 9時

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