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【作戦】3 ★ ページ39

「えっと、化粧水ね。すぐ執務室に戻るからそこでゆっくり聞くわ。」

Aに、ごめんね。と手を合わせて温室を出ようとしたら、ふとまっちーが気になる一言を発した。

「自由の国から化粧水のさらなる注文を要求されているんです。ただでさえ品薄状態ですので、そこのところご決断を早急に…。」

「えっ。」

今自由の国っつった!
俺は出口へと向けていた足を止めて、まっちーの肩をがしっと掴んだ。

「なんですか。」

「自由の国が化粧水をもっとくれって言ってるの。」

「…はい。ですがこれ以上化粧水を生産するのは難しい状態です。」

自由の国…。
昌磨の結婚相手の国が、このタイミングで氷の国の化粧水を求めてる…。

「要求はどんな形できたの。書簡?」

「そうです。」

こちらに。と差し出された手紙を受け取って、その場で広げる。
半分ほど目を通し、まっちーと顔を見合わせつつさらに読み進めると…。

「やっぱり…。けっこう上から目線な内容だな。」

たくさん買ってやるから安くしろとか、理屈は分かるけどこの提示額じゃ安すぎだわ。

「自国の有益しか述べてませんので、こちらとしてはこの交渉を受けるべきか…。」

「受けて。」

「王子?」

俺が即答したものだから、まっちーが驚いている。
普通なら門前払いの案件だけど、ひょっとしたらこれを上手く利用しすれば昌磨を助けられるのでは?と微々たる希望を持ったのだ。

「交渉は眠りの国で行えるよう手配を。すぐに両国の事務次官に連絡して。」

「眠りの国でですか…。」

「話し合いはどちらの国でもない中立国でやるのが常識でしょ。眠りの国で自由の国と会談する。」

そして全部一気に解決してやる。

「何か裏がありそうですね。それも含めて執務室でゆっくり聞かせていただきます。」

そう言って、流れるような所作で踵を返すまっちー。

よーし。これから二人で作戦会議だ。
俺は頭をフル回転させながら書簡をまっちーに押し返して、意気揚々と温室を出た。






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鹿(プロフ) - 心菜さん» お話しに触れていただいていありがとうございます!ちょこちょこ休憩的な話を挟んでしまうがゆえに、とても長くなってしまうという…。次移行なので、またよろしくお願いします!!私は神戸インだよ!! (2019年4月23日 18時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» もうトロントへ帰ってそうですね^^でも乙女だったなあ〜。いろいろ乙女だった。今度はいつ会えるのでしょうか。ショーには出てくれるのでしょうか!あ〜仙台行きたい! (2019年4月23日 18時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
心菜(プロフ) - 王女ちゃん1人でのお参りでも、国民の皆さんに喜んで貰えて良かった(^-^)色々応募しても何にも当たらない私ですが、1日乗車券は御用意頂けました。そしてFaoi幕張土日参加です (2019年4月22日 20時) (レス) id: 15da2c977a (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - ニュースで笑顔が見られましたね。束の間の実家滞在になるのかな。帰国している間にいろんなお仕事が詰まってそうですもんね。とりあえず、いい表情だったなと思いました。ここのところ情報チェックする余裕があまりなく、乗り遅れています。ゆづが元気ならそれでよし。 (2019年4月20日 23時) (レス) id: 42f93678ff (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» そんなに壮大な話にはならないんですけどね。ちょっと昌磨さんの話を書きたかっただけなのに、変な方向にいってしまって^^;これが終わったら試合です!ご本人はもう仙台についたかなー?! (2019年4月18日 17時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鹿 | 作成日時:2019年3月18日 19時

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