【作戦】5 ☆ ページ41
「あの、昌磨さまの件はどうなったのですか?」
お茶の準備をしつつも、聞きたいことがいくつかある中で、まずは一番気になることを尋ねると、ゆづ王子が次にお皿を並べながらさらっと言った。
「うん。佳菜と眠りの国へ行くことにした。」
「佳菜子さまと、ですか。」
まるで遊びに行くように言うので一瞬意味がわからなかったけど、温室で別れ際に会談の話が出ていたので、そのことのようだ。
「色々考えた結果、会談に佳菜を同席させることにしたんだよ。」
「まぁ…。それはとても重大な公務になりそうですね…。」
これぞ正室としての役割という感じがして、思わずお茶の葉を持ったまま立ち尽くす。
「ちなみにこれ昌磨救出作戦の第一歩だから。」
ふとゆづ王子がいたずらっ子のように人差し指で自らの唇に触れる。
作戦…。佳菜子さまの会談への同席が?
一体どういう意味だろうかと想像していると、まぁ食べながら話そう。とゆづ王子が腕まくりをして手際よくサンドイッチをナイフで切り分けてくれる。
「わぁ、美味しそう…。」
断面からたっぷりの野菜とチキンが見えて、思わず眺めてしまう。
「お茶は?用意できた?」
「あ、今すぐに!」
そうだった。
首をかしげてのぞき込まれたので、慌ててポットにお湯を注ごうとしたら…。
「貸して。俺やるわ。」
片手で軽々と奪われて、あっという間に全ての準備が整ってしまった。
てきぱきと何でもすぐにこなしてしまうゆづ王子の腕を、改めて尊敬の眼差しで見つめてしまう。
「……。」
「ん?なに見てるの。」
「えと、腕の筋を…。」
「はぁ?」
素直に答えたら変な声で返事をされてしまったけど、腕まくりをしてあらわになった手首からのラインが、なんとも言えない男らしさを醸し出してるというかなんと言うか!
明らかに以前より逞しくなってるのは、見た人じゃなきゃ分からない感動だ。
「逞しいなって…。」
「ファンか。」
笑いながら突っ込まれる中、二人分のカップをテーブルまで運んでくれるその後ろを、サンドイッチのお皿を持って付いて行きながら大いに肯定する。
121人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鹿(プロフ) - 心菜さん» お話しに触れていただいていありがとうございます!ちょこちょこ休憩的な話を挟んでしまうがゆえに、とても長くなってしまうという…。次移行なので、またよろしくお願いします!!私は神戸インだよ!! (2019年4月23日 18時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» もうトロントへ帰ってそうですね^^でも乙女だったなあ〜。いろいろ乙女だった。今度はいつ会えるのでしょうか。ショーには出てくれるのでしょうか!あ〜仙台行きたい! (2019年4月23日 18時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
心菜(プロフ) - 王女ちゃん1人でのお参りでも、国民の皆さんに喜んで貰えて良かった(^-^)色々応募しても何にも当たらない私ですが、1日乗車券は御用意頂けました。そしてFaoi幕張土日参加です (2019年4月22日 20時) (レス) id: 15da2c977a (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - ニュースで笑顔が見られましたね。束の間の実家滞在になるのかな。帰国している間にいろんなお仕事が詰まってそうですもんね。とりあえず、いい表情だったなと思いました。ここのところ情報チェックする余裕があまりなく、乗り遅れています。ゆづが元気ならそれでよし。 (2019年4月20日 23時) (レス) id: 42f93678ff (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» そんなに壮大な話にはならないんですけどね。ちょっと昌磨さんの話を書きたかっただけなのに、変な方向にいってしまって^^;これが終わったら試合です!ご本人はもう仙台についたかなー?! (2019年4月18日 17時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:鹿 | 作成日時:2019年3月18日 19時