【作戦】4 ★ ページ39
「夜の外出になりますので、多めに護衛をつけさせていただきますが。」
「外出か〜…。」
こういう時、即決できない自分の立場がうらめしい。行ってやりたい気持ちはあるけど、周りの状況をどうしても想像してしまう。
しかし、そんな真剣に迷っている俺に、まっちーから衝撃の一言が飛び出した。
「ちなみに佳菜子さまからは来ないで欲しいとの伝言です。」
「はぁ?」
…つか、まじか。
佳菜のやつ、そんなに俺に見られるのが嫌なのか。
「それを踏まえて…いかがなさいますか。」
再び尋ねられるのだけど、そんなん聞いたら答えは一つじゃないか。
「それって選択権ないじゃん…。いいよ、行かない。」
「そうなりますかね。」
まっちーに苦笑いされつつ、もうこの話はもうおしまいとばかりに、くるっと踵を返して自分の席に移動する。
そして、ちょっとはAみたいに形だけでも俺に歩み寄れ、と思いつつ、メスゴリラの佳菜の肖像画にしかめ面をした。
「スケート教室では覚えてろよ…。」
絶対見に行ってやるから。
次に、少しでもこの沈んだテンションを上げようと、机の上に置いているAの肖像画に視線を向けて…。
あ、そう言えば今衣装室で行われている俺の今季の衣装の仕上がり具合はどうなんだろう…。
あれからほぼ毎日、Aはジョニーと衣装を作ってくれているのだけど、まだ途中経過を見せてもらっていなかった。
「見てみたいな…。」
ぼそっと一人呟きつつ、こうなったら最後、もうそのことしか考えられなくなった俺は、まっちーに聞くより先に椅子から立ち上がる。
「ねぇ、気分転換に衣装の打ち合わせ行ってくるわ。」
ラフ画から1週間あまり、そろそろ仮縫いが終わった頃かもしれない。
「お仕事はどうなさるおつもりで?」
「明日!」
これはさぼりじゃない。歴とした、公務以外のやむを得ない案件だ。
毎年この時期はこんな感じになることが分かっているからか、まっちーも深く追及してこないし。
俺は執務室の扉を開けて、足早に衣装室へと急いだ。
.
144人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鹿(プロフ) - みなみさん» 私の妄想では、今年フリーが4分になって、こんなもんかと思う。次の年それを攻略する。で2年続けるんじゃないかと笑 ルールの対応って難しそうだもの〜^^; (2018年7月6日 16時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - 平昌後には引退、って、以前は言ってましたものね。解説やコーチとして見られるようになればまだいいでしょうけど、そうでなければゴールデンでの放送とか、減りそうですよね。次なるスター選手が現れないと、スケート界、厳しいかな。 (2018年7月4日 0時) (レス) id: e2f297e7a8 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» おそらく今季、または来季で引退でしょうか。ショーで2プロやってくれたらいいけども。。。彼が引退したらスケート界どうなっちゃうのかな。試合の放送とか・・・なくなったりして。 (2018年7月3日 17時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - マナさん» 袴かなースーツかなー?と妄想してましたが、仙台平だとは!地元の誇れる何かがあることはいいことですね。きっとお金で買えるものはいらないのかなーなんて思ったり。 (2018年7月3日 17時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - suzuranさん» きっと家族しかしらない素の羽生さんがあると思うのですが、それもいろいろ妄想しちゃってだめですね〜^^;真面目と不真面目のバランスをとらないとおかしくならないのかなあ〜っていつも思っています!生羽生どうでしたか!?なんだか幻のような。。。 (2018年7月3日 17時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:鹿 | 作成日時:2018年6月8日 17時