【カブトムシ】2 ☆ ページ16
「昌磨くんと知子ちゃんが練習してたからまぜてもらった。」
「こんにちはAさん。」
すーっと音もなく昌磨さまが近付いて来られたので、少しお話しさせてもらう。
「こんにちは。他の方は?」
「今日は知子ちゃんと二人で貸し切りにしてもらってたんだけど、高志郎くんが是非とも練習したいって来たから一緒に滑ってたんだよ。」
まぁ。それじゃあとんだお邪魔虫じゃない。
「すみません。高志郎、邪魔しちゃ悪いから出よう。」
側まで来ている高志郎を手招きで呼ぶと、昌磨さまがにこにこしながらこう言った。
「全然いいよ。高志郎くん面白いし、せっかくだからAさんも滑らない?」
「え!」
滑らない…?そのセリフに固まる。
私がスケートをするなんてこと、今まで思いもしなかったからだ。
「そうだよ。楽しいよ?」
やってみなよ!と高志郎からも誘われてしまった。
これは…どうすればいいのだろうか。
「あ、でもAさま、スカートじゃちょっと…。」
「あ…。」
知子さんが大事なことに気付いてくれる。
そうだ、さすがにこの格好では転んだ時に色々問題がある。
「姉ちゃんジャージ持ってないの?」
「上着は持ってるけど…。」
自分の今の服装を見つつ、そう言えば生まれてこのかたズボンなんてはいたことがないなと思う。
「あの王子からもらいなよ。」
「ゆづくん?」
「細いんだからサイズだって合うだろ?」
「……。」
私がゆづ王子のズボンを?
そのあり得ない言動に、私と昌磨さまが複雑な表情をする。
「ゆづくんああみえて筋肉とかすごいから、サイズなんて合わないよね。」
「そうですよね。胸も太ももも、厚くて太いんだから。」
けっこう深い部分まで知っている者同士、ここは意気投合する。
「あんな女みたいな顔してんのに?」
「心は阿修羅だよ?」
え、知らないの?と昌磨さまが目を丸くしている。
「阿修羅なのはスケートで演技している時だけですから。」
高志郎に対しては阿修羅な部分が全面的に出ているかもしれないけど、ここは誤解のないように言っておかないと。
「高志郎くんもゆづくんにスケート教えてもらえばいいのに。」
「絶対嫌だよ!それだけは俺のプライドが許さない。」
やっぱりゆづ王子に対してライバル心でもあるのか、大げさに首を横に振って、休憩する!とリンクの外に出る高志郎を咄嗟に捕まえる。
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鹿(プロフ) - 心菜さん» 羽生さん大変^^;でも、若いから大丈夫っぽい!金沢の楽はいろいろ変なことがあったけど、本人でもないのに、なんでそんなに想像するのかな〜という感じ。ま、こんなん書いてる時点で私が一番アウトですけども! (2018年6月5日 17時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
心菜(プロフ) - 神戸、静岡はアーティストが代わるので別プロですね。7/1がFaOIオーラスで翌日授賞式。忙しい〜(><)クワド跳んでくれるのは嬉しいけど、ステイヘルシーで! (2018年6月3日 15時) (レス) id: 15da2c977a (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» ショーに授賞式に忙しいですね。練習大乗かなー。リハビリになっていいかも?このお話も長く続きすぎて、飽きられてるかなーとおもう今日この頃。次のお話も決まってないし、もう少しお付き合いください〜^^; (2018年6月3日 7時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 碧海さん» 羽生さんの幸せだけをただ願っています^^お話に触れてくれてありがとうございます〜。次移行なので、もう少しお待ちください〜〜 (2018年6月3日 7時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 心菜さん» そんな近くで羽生さんを!すごい…。神戸公演では、また違うプログラムなのかなーと勝手に思っているのですが、昨日はついに4回転でましたね!^^ (2018年6月3日 7時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鹿 | 作成日時:2018年4月5日 18時