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【出発】3 ★ ページ3

“フェイ、聞こえる?”

するとほんの数秒で頭がほわんとして、この前と同じ声が響いてくる。

“ゆづ?どうしたの”

お、上手くいった。

“これから北の塔に行くんだけど、お前今どこ?”

“お城のとんがり屋根からゆづ達を見てる”

まじか…。
ちょっと辺りを見渡してみるけど…よくわかんないな。
あまりきょろきょろしていると怪しまれるのでこれ以上は大人しくしておこう。

“とりあえずこっそり着いてきて”

くれぐれも真凜や他の同行者に知られるとまずい。
特に勘の良いまっちーに見つかると厄介だ。

“オッケー”

じゃあ。と、いったん交信をストップすると、今度は騎士団長の大ちゃんが俺に話しかけてきた。
彼は今回、道中の護衛として北の塔まで付き添ってくれるのだ。

「そろそろ出ないと時間がやばいぞ。」

「あぁ、うん。」

それは分かっているのだけど、なかなか出発したくない俺の心境も分かって欲しい。

あれ?そう言えば北の塔に滞在する騎士って、誰に決まったんだろう。
前に無良くん以外で…って頼んでたけど。

「ねぇ、向こうでAを護衛してくれる騎士って誰なの。」

少し大ちゃんに近寄って耳打ちする。
あまり大きな声でする話題じゃないと思ったから。

「お前の要望通りにしておいたから。」

心配するな。と背中をぽんと押される。

「ならいいけど。」

ほっと胸をなでおろしたら、タイミングよく大ちゃんが、来たぞ。と俺の後ろを振り返った。
つられて俺もそっちの方向に身体を向ける。

「騎士団長、こちらの準備は整いました。」

「ご苦労。」

頭を垂れたその人物に俺も一言いっておくかと、キリッとした視線を送る。
くれぐれもAに対して一線を引かせなきゃならないし。

だけどそこにいたのは…。

「え!無良くん?!」

「……。」

俺の呼び掛けに深々と膝をつく。
というか、なぜ彼が!俺は驚いて大ちゃんをガン見した。

「無良、此度の…」

「ちょ、ちょちょちょ、大ちゃん!」

俺は大ちゃんの言葉を遮って腕を引っ張る。そして5メートルくらい離れた場所まで連れて行ってまた耳打ちをした。

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鹿(プロフ) - yukiさん» 本当ですか?!うれしいです!!ひとつ、里帰りする話でも書きたいなーと思ったのですが、すんごい長くなりそうで今だ執筆に至っておりません(笑)ファンタジーは設定を気軽に無視できるので、書いてて楽しいです! (2022年1月1日 8時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
yuki(プロフ) - このシリーズが、大好きです。番外編とかあったら読みたいです。 (2021年12月30日 23時) (レス) id: e391a6e98e (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» 私もリアルタイムで見てました\(^o^)/ノーミスしてさらにその上の事をしないと上位にはいけませんね。ジャンプを後半に持ってきたり、繋ぎも大事何だなーと思いました。でもやっぱり羽生さんは別格だ(笑) (2017年12月24日 21時) (レス) id: 5b18a5bb03 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - 女子フリー、みんなの頑張りに涙が滲みました。バンクーバー五輪の代表選考で中野友加里さんとあっこちゃんとの勝負を思い出しました。うう〜、本当に2枠しかないの?辛いですね〜。2位の2枠目は坂本さんが優位かな、とは思います。さっとん、本当におめでとう!! (2017年12月23日 23時) (レス) id: e2f297e7a8 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» 羽生さん。今年の運勢、健康面あまり良くないんですよね。来年頑張って欲しいですね(・∀・)全日本はたぶん…チラ見かな(笑)女子は気になりますね!!狐さんの正体、かなり先になりそう?! (2017年12月21日 16時) (レス) id: 5b18a5bb03 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鹿 | 作成日時:2017年11月18日 0時

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