【白狐】4 ★ ページ19
「側室さまとばかり仲良くせずに、たまには正室さまとの時間もお作りください。」
不意にまっちーから爆弾が飛んできて吹き出しそうになる。
「それは佳菜が…!」
…言いかけてやめる。
国民的には佳菜の方が俺の奥さんとしてはしっくりきてるだろうし、確かにイメージも大事だ。
どちらかとばかり片寄った付き合いをして、周りに悪い印象を与えるのはよくないな。
「ちなみに視察先はスケートクラブです。」
「お。」
その言葉を聞いて一気に機嫌が良くなる。
スケートクラブということは俺の大得意分野だし、出来れば自分のスケートを披露出来るかもと淡い期待をいだく。
「キッズクラスを佳菜子さまに、ジュニアクラスを結弦王子さまに指導していただく予定です。」
「指導?」
まっちーからの説明に引っかかる。ただ見に行くだけじゃないのかな。
「いわゆるスケート教室ですね。」
「え、てことは俺が先生?」
「左様です。」
まじか!
うわ〜…やったことないけどすっごい興味あるなぁと思いつつ、頬に手をあてて夢見心地な気分になる。
「そっかぁ…。」
「国技ですので、王子さまにもしっかりスケートをアピールしていただきませんと。」
「そうだね…未来のスケーターを育てなきゃね。」
今の時代のことばかり考えててちゃだめだし、才能のある選手を早く見つけて育てる努力も必要だ。
「これは王子としての義務ですので。」
「うん。スケートなら得意だから。」
右手をぐっと突きつけてアピールする。
それにジュニアなら多少本気出してもよさそうだし。
「くれぐれも行き過ぎた指導はお控えくださいね。」
「大丈夫だって〜、丁寧かつ優しく指導するから。」
王子という身分でなければ、指導者としてやってみたかったなと考えたことくらいある。
振り付けだって、衣装だって…裏方みたいなことも然りだ。
「久しぶりに嬉しそうな結弦王子を見れて、私も安心しました。」
まっちーが書類を整えながら言った言葉に俺の動きが止まる。
これひょっとして俺のために…?
Aを謹慎させてしまって落ち込んでるのを励ましてくれたとか…。
「まっちー…。」
「ではお仕事頑張りましょう。」
机に書類を広げたまっちーに、さすが俺の側近!と改めて信頼を寄せたのだった。
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鹿(プロフ) - yukiさん» 本当ですか?!うれしいです!!ひとつ、里帰りする話でも書きたいなーと思ったのですが、すんごい長くなりそうで今だ執筆に至っておりません(笑)ファンタジーは設定を気軽に無視できるので、書いてて楽しいです! (2022年1月1日 8時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
yuki(プロフ) - このシリーズが、大好きです。番外編とかあったら読みたいです。 (2021年12月30日 23時) (レス) id: e391a6e98e (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» 私もリアルタイムで見てました\(^o^)/ノーミスしてさらにその上の事をしないと上位にはいけませんね。ジャンプを後半に持ってきたり、繋ぎも大事何だなーと思いました。でもやっぱり羽生さんは別格だ(笑) (2017年12月24日 21時) (レス) id: 5b18a5bb03 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - 女子フリー、みんなの頑張りに涙が滲みました。バンクーバー五輪の代表選考で中野友加里さんとあっこちゃんとの勝負を思い出しました。うう〜、本当に2枠しかないの?辛いですね〜。2位の2枠目は坂本さんが優位かな、とは思います。さっとん、本当におめでとう!! (2017年12月23日 23時) (レス) id: e2f297e7a8 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» 羽生さん。今年の運勢、健康面あまり良くないんですよね。来年頑張って欲しいですね(・∀・)全日本はたぶん…チラ見かな(笑)女子は気になりますね!!狐さんの正体、かなり先になりそう?! (2017年12月21日 16時) (レス) id: 5b18a5bb03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鹿 | 作成日時:2017年11月18日 0時