【夏の風物詩】12 ページ42
「ごめーん、お待たせ。さ、翔。ご飯だよー。」
Aが持ってきたどろどろのお粥を食べさせるために、俺は自分の膝の上に翔を座らせる。
「せめて翔にはスケートやって欲しいわ〜。」
「毎日結弦のDVD見せたら？子供はすぐに感化されるから滑りたくなるんじゃない？」
「一花には効果なかった。」
そんなこと、俺がやってないとでも？
「もう天性の野球好きに生まれてきたんだね。」
「翔は天性のスケート好き！絶対！」
お粥を口に運んだら、ぱくりと食べる翔。
「冬生まれだしね、間違いないよ。」
慰めてくれているのか何なのか、よくわかんない無責任な発言だな。
「１才になったらリンクに連れていくから。」
「滑れないのに？」
「氷に触れるのが大事なの。」
もう一花のような失敗はしない。
出来るだけ積極的に連れ出して、まずは氷と友達になろう。
防水のダウン着せて、楽しい氷遊びだ。
見てろよ？
スケートやらないなんて絶対に言わせないから。
一花がこうなった以上、翔、お前しか俺のスケートを継ぐものはいないんだぞ。
「翔も野球したりして(笑)」
「そん時はもう一人作るから。」
頑張って。と声をかけるとAが、ひゃー！と顔を歪めて叫んだ。
「翔、頑張って！」
スプーンに乗せたどろどろのお粥を、半ば強引に翔の口に押し込む。
「いっぱい食べて早く歩けるようになれ？そしたらつるつるの氷で嫌というほど遊ばしてやる。」
こてんしても起こしてやんない。
「燃えてるね…。」
もうすっかり高校野球のことなど頭から無くなってしまった俺は、早速赤ちゃん用のウェアを買おうと頭の中で決意する。
「一花、お前もせめて人並みに滑れるまで頑張らなきゃだめだから。」
「えー！」
この際だ、茅の外だった一花にも混じってもらう。
「それくらいの根性がなきゃピッチャーなんてなれないし。」
スポーツを甘くみるな。
「こんじょう？」
「一花、どっちも頑張ろうね。」
なんだかよく分かっていない風だけど、Aが優しく声をかけるとそれだけで安心したように、うん！と元気に返事をする一花。
よーし、燃えるぞ〜！
ちなみに宮城県代表を勝ち取ったのは、名門仙台育英高校だった。
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鹿(プロフ) - 厨二病さん» ありがとうございます＾＾羽生さんがなにかネタを提供してくれないかな〜と思う今日この頃。 (2018年4月5日 16時) (
レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
厨二病(プロフ) - すごく面白かったです！続編期待してます！ (2018年4月4日 0時) (レス) id: 660c61ccc2 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - マナさん» ありがとうございます！長かったですよね〜。写真も野球もそんなに詳しくない中、よく書いたなって自分でも思います＾＾ここはほぼ子育てルームになっているので、またネタができたら・・・。ギャグですけどね！ (2018年3月22日 16時) (レス) id: 73ad5e2308 (このIDを非表示/違反報告)
マナ - ああああ 嘘でしょーーついに読み終わってしまった…これからでも続編書いていただきたい。。それほど素晴らしかった！！本当に面白かった！！これからも期待してますよー^^ (2018年3月20日 23時) (レス) id: 595eca3f4d (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» 羽生さんの口調好きですわ〜。なよっぽい部分もありつつ、攻撃的な部分もありつつ。けっこう独特ですよね、方言でもないし。(*・∀・*)ノ (2017年8月19日 18時) (レス) id: 5b18a5bb03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鹿
| 作成日時：2017年2月24日 18時
