【ピーナッツ】9 ☆ ページ9
…今日のゆづの言葉、嬉しかったな。
私の事、本当に好きでいてくれてるんだって思えた。
今まで心のどこかでゆづの気持ちを信じきれてない部分があったけど、もうそんな心配は無用なのかもしれない。
このままゆづと結婚するのかな。
こんな不器用な私でも必要とされる日が来るんだろうか…。
…やめた。今日は結婚の挨拶でもないのにそんな先の事考えるのはよそう。
それより引っ越しの準備しなくちゃ。少ないなりにもそれなりに必要な物がある。
私は鍵をポケットにいれて、階段を一段飛ばしで降りながら自分の家へ急いだ。
────その日の夕方…────
部屋の片付けをしながら持っていく荷物を詰めていると、携帯が鳴った。
ゆづから電話だ。
起きたのかなと思い画面をスライドして繋ぐ。
「もしもし。」
『あ!もしもし、A?あのさ、俺なんで自分のベッドで寝てんの?!』
…え?
「いや、自分で帰ったんでしょ。」
『は?!帰ってねーし!てか同居の話どうなった?!』
これは本気で言っているのだろうか。
もしやとは思ったけど、本当に記憶がないとか?
「それは大丈夫。お父さんからちゃんとお許しが出たから。」
『そっか…あ!俺失礼じゃなかった?!うわ、どうしよ!なんも覚えてねぇ!』
パニクるゆづ。
もしやとは思ったけどやっぱりそうなんだ。…別にいいけど。
「ゆづがどれだけ私を好きかっていうマシンガントークが炸裂したよ…。」
『……!』
電話の向こうで息を飲むのがわかった。
そして、失敗した…?と泣きそうな声で言う。
「あれはあれでよかったんじゃない?ちなみに明日引っ越しって覚えてる?」
するとゆづが、まじで?!とまた驚いた。
「ちょ、今から部屋片付けるわ。Aまた明日!」
そう言って慌てて電話を切ってしまった。
…騒がしいったらない。
きっと明日、今日のことを色々聞かれるんだろうな。
でも絶対に教えてやらないでおこう。
おそらく素じゃ言わないようなことを、たくさんしゃべってくれたから。
いい気分のまま、私の胸にしまっておきたい。
「離したくない…か。」
やばい、思い出しただけで顔がにやける。
持っていた服に顔をうずめたら、キッチンからお母さんの呼ぶ声がした。
きっと晩ご飯だ。
家族で食べる最後の晩ご飯だもんね。
今日はゆっくり味わって食べよう。
私はせめてお手伝いしようと、少し散らかった部屋を後にして、お母さんの許へと急いだ。
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鹿(プロフ) - 智枝さん» そんなに!いいですね〜…。こんなお話書いてる場合じゃなく、試合見に行ってみたいです。だけど関西じゃあ…大阪くらいかな。そしてまた妄想に走る! (2017年3月4日 21時) (レス) id: 081c59540b (このIDを非表示/違反報告)
智枝 - そっかー残念や!来月の国別対抗や16日のセレモニーにも行く予定だよ(笑)当たれば(笑)超絶現場系やなわたし(笑) (2017年3月4日 13時) (携帯から) (レス) id: 8a519c5c92 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 智枝さん» いろんな場所で本人に遭遇してるんですねー。すごい、スケート関係なのが羨ましい(笑) こっちはリンクもどこにあるのか知らないですもん。来季は全ての試合が遠いので行ける所なんて一つもありそうにないです(´д`|||) (2017年3月4日 10時) (レス) id: 081c59540b (このIDを非表示/違反報告)
智枝 - 私はフィギュアの現場によく行くので、羽生さん次第で今年はFaoi DOI NHK杯 名古屋GPF 全日本 そしてオリンピックに行く予定だよ〜!どこかでお会いできるといいな〜☆ (2017年3月4日 0時) (携帯から) (レス) id: 8a519c5c92 (このIDを非表示/違反報告)
智枝 - 出来るだけ長く話を引っ張って欲しいな〜!子どもに教える羽生氏、、、そういえば以前都内某アイスリンクで見かけた時は後ろにくっついていた子ども(私の子を含む笑)達に練習しなくていいの?大丈夫?って言ってたなぁ(笑)まぁ羽生さん見たら後を追いたくなるわな(笑) (2017年3月4日 0時) (携帯から) (レス) id: 8a519c5c92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鹿 | 作成日時:2017年2月14日 16時