【知らせ】12 ☆ ページ35
「！！」
唇が触れたと思ったら、ゆづに肩を掴まれて引き離される。
私は…あからさまに拒絶された。
「…ごめん。」
先に謝る。
やっぱりゆづを困らせてしまった。
「こっちこそ…。やっぱさ、俺たち叔父さんと叔母さんになるし？その…」
「わかってる。」
全部聞きたくなくて、納得したふりをする。
もうキスもだめか…というより、こんなんじゃそのうちゆづも離れちゃうな、きっと。
また泣きそうになるのを必死でこらえる。
「…A、元気だしてよ。俺はどこにも行かないから。」
「え…。」
だけど、思ってもない言葉が聞こえてきて、一瞬耳を疑う。
「Aに大切な人ができるまで、俺がずっとそばにいるから。」
大切な人…？私に？
「そんな人、できないよ…。」
ゆづならともかく、他の人間に興味なんてない。
「今はまだ出会ってないだけ。これからの人生、Aにもきっと良い人が現れるから。」
それまで俺が、お兄さんの代わりだから。とゆづが力強く言ってくれる。
「ゆづ…。」
これって、その相手はゆづでは有り得ないって、遠まわしに言っているの…？
でも逆に、もし私に大切な人が現れなかったら…ずっとゆづといられるって思っていいのかな。
私は嬉しいんだか、悲しいんだか良くわからない気持ちになった。
希望と絶望とが同時に押し寄せてきて、頭の中で処理できない。
「ゆづに先に現れたら？私はどうなるの…。」
混乱している頭で、素朴な疑問をぶつける。
するとゆづが少し笑って、それはないよ。と言った。
「ほら、病み上がりなんだからもう泣くな。」
「……。」
…全然分からない。ゆづの気持ちが。
私はこのままゆづを好きでいていいの？
自分のいいように解釈しちゃうけど、本当にいいのかな…。
ふとゆづの目を見ると、少し赤くなっているような気がした。
お姉さんに赤ちゃんができて嬉しいからなのかな…。
「冷たいコーヒーでも飲む？」
「…飲む。」
また嬉しい言葉をくれた。
今はそれだけで、この乾ききった心が満たされていく。
ゆづを好きでいてもいいんだよね…。
私は私なりに、ゆづを追いかけてもいいんだよね。
今はそんな答えしか出せないけど…。
私たちの明日がまだ繋がっていることを、心から良かったと思った。
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akiho(プロフ) - もう11までいきましたよ〜。ありがとうございます。 (2017年2月26日 8時) (
レス) id: 84ab421957 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - akihoさん» ちなみに途中、続編へのつながりが悪い箇所があるので、URLをクリックして行ってくださいね〜＾＾ (2017年2月25日 16時) (レス) id: 081c59540b (このIDを非表示/違反報告)
akiho(プロフ) - ありがとうございます！楽しみにしておきます！ (2017年2月25日 8時) (レス) id: 84ab421957 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - akihoさん» 肉体的には10です＾＾まだまだ続いてますので、がんばって読んでくださいね〜。 (2017年2月24日 18時) (レス) id: 081c59540b (このIDを非表示/違反報告)
akiho(プロフ) - あの、あとどれ位で結ばれるのでしょう(笑) (2017年2月23日 19時) (レス) id: 84ab421957 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鹿
| 作成日時：2016年11月9日 16時
