いつまでも甘え上手な【木村良平】 (ページ46)

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※柿原さんと付き合ってる時のお話です

「A」

家で2人で過ごす休日、ソファに座っていれば、名前を呼ばれて振り返る。ソファの隣に腰掛けた彼は、体を私にぴったりとくっつけて。

「あっち向いて」

『へ、なんで？』

「いいから」

『はい、』

「目瞑って」

言われた通り、彼に背中を向けて目を瞑れば、首元にひやっとした感覚がして、思わず肩が震える。笑いながら肩に手を置かれる感覚に、目を開けて後ろを振り向けば。

『徹也？』

「なあに」

『え、これ、、』

「プレゼント」

『今日、なに、なん、の日だっけ、？』

「ふっ、噛んでる(笑)えー、A忘れたの？」

『えっ、え、え、ほんとに、？』

「ふっ、ふはっ、嘘(笑)初めての主役、おめでとう」

彼の言葉に思わず目を見開いて。デビューしてから数年、ついこの前初めて主役のオーディションに受かった。

これまでアニメの仕事もたくさん、やらせていただいていたけれど、メインキャラクターの中でも主人公というのは、やっぱりどこか違う。

そんな気持ちを汲み取ってか、こんなプレゼントをしてくれることが、嬉しくて。

『ありがとう』

「どういたしまして」

『おまもりにする』

「ははっ、ずっとつけててくれんのー？」

『うん、頑張れる、気がする、もっと』

ネックレスに軽く触れながら、彼の胸に頭を預ければ、頭に手のひらが乗って、くしゃっと撫でられる。

「あんま気張りすぎんなよ」

『うん、』

「無理もしないこと」

『うん、』

「応援してる、これからのAが、もっと上手くいくこと。」

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