昔の話 ページ26
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※良平さんと付き合う前のおはなし
スタジオを歩いていれば見知った顔が前から歩いてきて、足を止める。うわあ、疲れた顔してるなあ。
『のぶくん、お疲れ様』
「おー、おとちゃん。おつかれ」
『顔やばいよ?忙しい?』
「うーん(笑)でもおとちゃんもでしょ?」
『のぶくんほどじゃないよ』
「またまたあ〜、次のオフいつ?」
『えー、知らない(笑)しばらくないかも』
「ほらあ(笑)でもさ、おとちゃんも頑張ってるって思うから俺も頑張れるんだよね」
『ふふ、わたしも同じこと思って仕事してるよ』
言葉にしなくてもわかってる。お互いが同じくらいの仕事量を抱えて頑張ってるから。今が頑張り時だし、メンタル面の支えに間違いなく、のぶくんはいるんだろうな、なんて。
それは彼も同様なのかもしれない。
両手をのぶくんの肩に置いて、まっすぐ目を見る
『お互い倒れない程度に頑張ろうね!』
「俺よりおとちゃんの方が、その確率は高いと思うけど?(笑)」
『そんなことない!(笑)』
「まあ、死なない程度に頑張ろうね」
『基準が緩くなってるー!』
そんな話をして2人で笑って。ほどほどに解散もして次のスタジオに行くまでの間、のぶくんが好きそうなスイーツのお店が目に入って思わず立ち寄る。
明日一緒にラジオ収録だったはずだから、その時に持って行ってあげよ、なんて考えながら。
『のーぶーくん!』
「なに、手後ろに隠して(笑)」
『ふふ、これあげる!』
「え!これ、あそこのやつじゃん!行ったの?」
『昨日スタジオが近くでさ〜』
「くれるの…?」
『うん!もちろん!それ食べて、怒涛のスケジュール乗り切って』
「あははっ、頑張るわ、ありかと」
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作者名:シカク | 作成日時:2021年12月1日 20時