きみではじまり ページ31
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あさ、なんだか人の気配を感じて目覚ましより少し早く目を覚ます。昨日はお祝いコメントやツイートを読んでいたりして、日付が変わってから数時間過ごしてしまって、まだ少し眠たい。
欠伸をしながら寝室の扉を開ければ、キッチンに昨夜はいなかったはずの彼女が立っていて思わず固まる。
『あ、界人おはよう〜』
「え、え、、?なんで?」
『朝ごはん作ったけど食べる?』
「た、べる、、、え?」
『ふふ、お誕生日、おめでと』
「あ、りがと。え、待って、A今日仕事でしょ?」
『うん、この後行くよー?ほんとは、昨日の夜来たかったんだけど、ごめんね?』
「いや、それは全然。いいけど、」
まだ覚醒していない頭をなんとか働かせてみるけど、目の前で朝食の準備を着々と進める彼女に、まだ頭が追いついていない。
そんな俺を見かねてか、彼女は顔洗ってきたら?なんて、軽く笑って。再びリビングに戻った時にはテーブルの上に準備ができていて。
「いた、だきます」
『どうぞー』
「ね、ほんとどうしたの」
『そんなに驚く?(笑)誕生日だし、何かできるかなーって、思って』
「えー、あ、えー、ありがと、」
『ねえ、今日遅くなっちゃうかもだけど、夜来てもいい?』
「……え?」
『あ、ごめん。予定あった?』
「いや、配信、しようかなって思ってた」
『ん、わかった。ゆっくーり、入ってくるね(笑)』
「Aいいよ?今日も1日仕事詰まってるでしょ、また今度ゆっくりしようねって、言ってなかった?」
『ははっ、うん。そう思ってたし、お祝いはちゃんとするつもりだけど、やっぱり当日祝いたくなっちゃった』
「ええ、」
『やだった?』
「ううん、嬉しい」
『よかった。ごめん、出なきゃ、また夜ね』
「ん、ありがとね」
『界人、』
「ん?、、え、っ、」
名前を呼ばれて、振り向けば、彼女が座った俺の肩に手を置いて、ゆっくりと近付いてきて、唇が触れて思わず目を見開く。
軽く触れ合ったそれを離して、何も発さない俺に向かってゆっくりと微笑んで。
『お誕生日おめでとう。……ふふ、いってきます』
「っ、もうー、なんなの今日ほんと」
『へへ、界人も。お仕事がんばってね』
「うん、いってらっしゃい」
あーもう、俺今めちゃくちゃ幸せかも。そんなことを彼女が歩く背中を見ながら思って。
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シカク(プロフ) - まるさん» ほんとですね……(^^; わざわざご連絡いただいて、ありがとうございます。私が書いたものではないので、機会があれば聞いてみますね。いつも読んでいただき、ありがとうございます!これからもよろしくお願いします。 (2021年12月7日 12時) (レス) id: c30e6dd602 (このIDを非表示/違反報告)
まる - お返事ありがとうございます。あまいハチミツという作品がお相手を良平さんに変えただけのようなかなり似た作品がありましたので気になってお聞きしました。シカク様の作品はどれも好きですので楽しみにしています^_^ (2021年12月7日 6時) (レス) id: 0cc1bb8b96 (このIDを非表示/違反報告)
シカク(プロフ) - まるさん» こんにちは。私が書いているものは、もしかしたら少し内容が似ているかもしれませんが、作品ページ以外にあるものは書いていませんよ(*・ω・*) (2021年12月7日 0時) (レス) id: c30e6dd602 (このIDを非表示/違反報告)
まる - 他のお名前でミルクとスフレとに似た物は書かれていますか? (2021年12月6日 22時) (レス) id: 0cc1bb8b96 (このIDを非表示/違反報告)
シカク(プロフ) - 如月ヨシノ。さん» コメントありがとうございます!小説少ないですよね、自己供給してしまいました(笑)呼んでいただけてうれしいです! (2021年8月2日 23時) (レス) id: 8d6bdf9f88 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シカク | 作成日時:2021年8月2日 18時