ミルクとスフレと【石川界人】

お出迎えサプライズ ページ28

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毎週の生放送が終わって自宅へ帰ってくると、リビングから灯りが漏れていて、不思議に思う。ふと足元を見れば、確実に俺じゃない靴。え……？



『あ、界人おかえり〜』

「……ただいま？、珍しい、どしたの」



彼女がこの家にいることは珍しくないけれど、突然来ていることはだいぶ珍しい。全然俺はいいんだけど。そんなことを考えていれば、ソファから立ち上がって俺に向かって手を伸ばして抱きついてくる。



「わ、なに(笑)どうしたの」

『夜あそび見てたよ』

「あ、まじ？ありがと」

『抱きつきたい鎖骨してるなーって思ってた』

「はい？(笑)」

『首周り広い服だったじゃん』

「あー、今日の衣装？」

『そう、へへ』

「触んないの、くすぐったい(笑)」

『ケチ』

「なーに、どうしたの。酔ってんの？(笑)」

『酔ってないですー、シラフですー』



普段よりずっと機嫌がいい雰囲気は酔ってるのかと思うくらいで。未だ抱きついたまま、俺を見上げてる。ああ、かわいいな、俺の彼女。



「なんかあった？」

『なんで？』

「珍しいことだらけだから」

『ん？』

「帰ってきたらいるし、抱きついてくるし？」

『………会いたいなーって思って』

「へ、？」

『ん？(笑)』

「え、なに、もういっかい言ってよ」

『えー？(笑)』

「かわいい顔してもだめ」

『……会いたかった、の。界人に』



俺を見上げたまま、そんなこと言う彼女の威力はすごくて、思わず目を見開けば、意味を成さない言葉を発して顔を胸に埋めてる。



『ーーーーーっ、ばか！』

「ははっ、Aー？」

『ばかばかばか』

「最近ゆっくり会えてなかったもんね」

『忙しすぎだよ』

「それはAもよー？」

『いいでしょ、たまには』

「俺も会いたかった、ふふ」

『笑ってるーーーー！』

「あははっ、ほんとほんと」






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