ミルクとスフレと【石川界人】

理由を教えて ページ26

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どうやら今日は彼女の様子が少し変。変、というか何か怒ってる？拗ねてる？不貞腐れた顔して、テレビゲームをしている。


「ねえねえ、Aさん？」

『はあい』

「………なんか怒ってます？」

『…………何も』



いや怒ってるじゃん。怒ってるアピールしたくないけど、もやもやして少し気付いてほしくてー、みたいな感じ？って聞いたら余計に怒るから言わないけど。



「なーに。どしたの。」

『なんもないって』

「なんもないって顔してないよ」

『んーーーーー、大丈夫』

「なにがよ」

『……………真礼ちゃん。かわいいよね』

「……………へ、？」



理由ぽいことを言ったと思えば、突然コントローラーを置いて立ち上がってどこかへ行こうとする腕を掴んで、膝の上に乗せる。腰に手を回せば、もう逃げられまい。後ろから顔をのぞいたら逸らされたけど。



「え？なに。どしたの」

『真礼ちゃんかわいい？』

「………かわいいね？」

『ばか！』

「はあーー？」



待て待て。意図が分からん。かわいい？って聞かれて、そうだねって返したら、理不尽に怒られた。



「…………A、かわいいよ？」

『んーーーー！』

『真礼ちゃんのことは、にこにこしながら、かわいいかわいいって言うくせに』



ちょっと待った。これはもしかして、嫉妬、というやつですか、、？そういえば、この前電波に乗せてそんな発言をしたような気もする。



「もしかして、嫉妬してくれてんの？」

『うるさいーーー！』

「ははっ、えー、かわいい」

『やだやだやだ、うるさい』

「わがままだねえ、別に何もないじゃん」

『あったら困る』



そう言っていつのまにか、俺の膝の上で反転して胸に顔を埋める彼女の顔を持ち上げて、唇を合わせて。何度も重ねて、タイミングを見て舌を入れれば、一瞬彼女がびくっと、なる。



「キスしたいな、とかその先したいって思えるのはAだけだよ。」





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