甘えるタイミング ページ19
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「Aー」
『んー?わ、ふふ、どうした?』
キッチンで洗い物をしたり片付けたりしていれば、名前を呼ばれて後ろから、ふらっと抱きつかれる。こうして抱きつかれることも珍しくないけれど、なんだか今日は少し違うような、あれ。
抱きつかれた手をゆっくりと離して、彼の方は向き合って、首元に手の甲をあてる。
「………ん?」
『ん?じゃないよ。熱いじゃん、熱ある』
「ええー、ないよ、ない」
『あーりーまーすー、界人体温計は?』
「んー、寝室」
『あ、あった。はい、座って、測って』
「はい、」
『何か適当に買ってこようかな、薬は?』
「………薬はある、大丈夫、いらない」
『あ、体温計見せて、ほらー、あるじゃん。高いよ』
「んー、」
38度なんてまあまあな高熱で、よく今まで普通に見せてたな。冷えピタとか、ゼリーとか、やっぱり買ってこよう。なんて思って、彼の前から立ち上がれば腕を掴まれる。
「どこ行くの」
『薬局。近くのとこ遅くまでやってるじゃん』
「もう遅いし、今俺着いていけないからだめ」
『いや、界人』
「やだ、だめ、いてよ」
そう言っていつもより力が入っていない様子で手を引かれて。そのまま界人の腕が回される。肩口に顔を乗せて、軽く咳をする姿は辛そう。やっぱり体は熱いし。
「A、大丈夫だから、ね、?」
『分かったって、じゃあベット行こ。寝なきゃ』
「ん、」
大人しく目を瞑る彼を見ながら、早く良くなるといいね、なんて。
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シカク(プロフ) - まるさん» ほんとですね……(^^; わざわざご連絡いただいて、ありがとうございます。私が書いたものではないので、機会があれば聞いてみますね。いつも読んでいただき、ありがとうございます!これからもよろしくお願いします。 (2021年12月7日 12時) (レス) id: c30e6dd602 (このIDを非表示/違反報告)
まる - お返事ありがとうございます。あまいハチミツという作品がお相手を良平さんに変えただけのようなかなり似た作品がありましたので気になってお聞きしました。シカク様の作品はどれも好きですので楽しみにしています^_^ (2021年12月7日 6時) (レス) id: 0cc1bb8b96 (このIDを非表示/違反報告)
シカク(プロフ) - まるさん» こんにちは。私が書いているものは、もしかしたら少し内容が似ているかもしれませんが、作品ページ以外にあるものは書いていませんよ(*・ω・*) (2021年12月7日 0時) (レス) id: c30e6dd602 (このIDを非表示/違反報告)
まる - 他のお名前でミルクとスフレとに似た物は書かれていますか? (2021年12月6日 22時) (レス) id: 0cc1bb8b96 (このIDを非表示/違反報告)
シカク(プロフ) - 如月ヨシノ。さん» コメントありがとうございます!小説少ないですよね、自己供給してしまいました(笑)呼んでいただけてうれしいです! (2021年8月2日 23時) (レス) id: 8d6bdf9f88 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シカク | 作成日時:2021年8月2日 18時