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ミコトさんが一度検察官を見ると
目が合った検察官はミコトさんが何か喋りたいのを察したらしい
高瀬の笑い声とともに何かを考え出した系さん
左手に違和感を感じ目を落とすと、握られている私の手と系さんの手
大丈夫。大丈夫だから
私はぎゅっと系さんの手を握りしめた
検「三澄先生、他に何か言っておくべきことがあるのでしょうか?」
ミ「はい。被害者の口の中には被告人のDNAが付着していた。これは言い逃れようのない事実です。私たちに法医学者の仕事は、ご遺体を調べ、検査し、正確な死因を把握し、事実を鑑定書に書くことです。もちろんそこには犯人の感情や気持ちなんて書かれていません。ご遺体を前にしてあるのは、ただ命を奪ったという取り返しのつかない事実だけです。」
すうっと息を吸い一度高瀬の方を向くミコトさん
ミ「犯人の気持ちなんてわかりやしないし、あなたのことを理解する必要なんてない。不幸な生い立ちなんて興味はないし動機だってどうだっていい。ただ、同情はしてしまいます。この可哀想な被告人に。被告人は今も尚死んだ母親の幻影に苦しめらています!30歳を過ぎてもなお子供の頃のまんまなんです。」
高「だまれ」
ミ「誰も彼を救えなかった!!」
高「だまれ」
ミ「あなたも」
高「だまれ」
ミ「自分自身を救えなかった。あなたの孤独に、心から同情します」
深々と高瀬に対し頭を下げるミコトさん
高「やりたくてやった。誰に言われた訳でも無い。殺したくて殺した。母親は関係ない!!26人!!!誰も真似出来ない!!!!俺はやり遂げた!!!26人だ!!!!俺はやり遂げたんだ!!!俺にしか出来なかった!!!」
勝ち誇った顔をしたミコトさん
目をそっと瞑る系さん
ザワつく会場
高瀬が自ら自白をした。少し怖かった。自分を英雄とでも思っている彼が。
終わったんだ。
全部。終わったんだ。
ぎゅっと握られた2人の手は離れることはなかった。
目をつぶり、今までの苦しみを思い出しているのかな系さんは
私は涙を流すことしか出来なかった。
やっと。やっと終わったんだね。
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しーたそ(プロフ) - 明里香さん» ご指摘ありがとうございます!訂正してきます( ; ; ) (2018年3月28日 23時) (レス) id: 2cf6ec6607 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 誤字がありました。水澄ではなく、三澄です。 (2018年3月28日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しーたそ | 作成日時:2018年3月23日 9時