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62. ページ15






ミコトさんが一度検察官を見ると



目が合った検察官はミコトさんが何か喋りたいのを察したらしい



高瀬の笑い声とともに何かを考え出した系さん



左手に違和感を感じ目を落とすと、握られている私の手と系さんの手


大丈夫。大丈夫だから


私はぎゅっと系さんの手を握りしめた









検「三澄先生、他に何か言っておくべきことがあるのでしょうか?」

ミ「はい。被害者の口の中には被告人のDNAが付着していた。これは言い逃れようのない事実です。私たちに法医学者の仕事は、ご遺体を調べ、検査し、正確な死因を把握し、事実を鑑定書に書くことです。もちろんそこには犯人の感情や気持ちなんて書かれていません。ご遺体を前にしてあるのは、ただ命を奪ったという取り返しのつかない事実だけです。」




すうっと息を吸い一度高瀬の方を向くミコトさん




ミ「犯人の気持ちなんてわかりやしないし、あなたのことを理解する必要なんてない。不幸な生い立ちなんて興味はないし動機だってどうだっていい。ただ、同情はしてしまいます。この可哀想な被告人に。被告人は今も尚死んだ母親の幻影に苦しめらています!30歳を過ぎてもなお子供の頃のまんまなんです。」

高「だまれ」

ミ「誰も彼を救えなかった!!」

高「だまれ」

ミ「あなたも」

高「だまれ」

ミ「自分自身を救えなかった。あなたの孤独に、心から同情します」





深々と高瀬に対し頭を下げるミコトさん







高「やりたくてやった。誰に言われた訳でも無い。殺したくて殺した。母親は関係ない!!26人!!!誰も真似出来ない!!!!俺はやり遂げた!!!26人だ!!!!俺はやり遂げたんだ!!!俺にしか出来なかった!!!」






勝ち誇った顔をしたミコトさん



目をそっと瞑る系さん



ザワつく会場



高瀬が自ら自白をした。少し怖かった。自分を英雄とでも思っている彼が。



終わったんだ。



全部。終わったんだ。




ぎゅっと握られた2人の手は離れることはなかった。




目をつぶり、今までの苦しみを思い出しているのかな系さんは





私は涙を流すことしか出来なかった。



やっと。やっと終わったんだね。


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しーたそ(プロフ) - 明里香さん» ご指摘ありがとうございます!訂正してきます( ; ; ) (2018年3月28日 23時) (レス) id: 2cf6ec6607 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 誤字がありました。水澄ではなく、三澄です。 (2018年3月28日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しーたそ | 作成日時:2018年3月23日 9時

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