不器用な愛の形 2 (ページ13)

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検「えー被害者は殺された時このゴムボールを口に押し込まれていたと考えて差し支えないでしょうか？」

画面に映し出されるのはカラフルな金魚の形が浮き出ているゴムボール

一見可愛らしく見えるが

高瀬が犯行に使ったと考えると鳥肌が立つ

赤い金魚の正体

ミ「はい。糀谷夕希子さんの口の中の粘膜が剥がれてできた炎症の形と一致します。」

弁「異議あり。ボールの元物がない以上想像に過ぎません」

ボールはちゃんとあった

あったのに

宍戸のせいで

左斜め後ろでみている宍戸の表情は

誇らしげな顔をしていた

検「それでは質問を変えます。えー供述明確化のため検察官請求証拠第22号証をしめします。幼少期の被告人と母親の写真です。更に項24号証、当時の児童相談所の記録を示します。これによりますと被告人の母親は躾のためと称し口にゴムボールを押し込んでいた、とあります。」

何も動じない高瀬

それは母親への復讐だから？？？

自分への同情？？？

未だ無表情の彼に恐怖を抱いた

弁「異議あり。本件と虐待は無関係です。被害者ほ口の中の炎症だけでは被告人との関係を証明できません」

ミ「証明できます」

一気に会場がザワついたのがわかった

そして同時にまったく動じていなかった高瀬の表情が崩れ始めた

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