釣り合いたい【NJ】 (ページ27)

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昼休み、ミリのせいで濡れた制服を乾かすために、屋上に向かった。

ギィと、古そうな扉を開けると
ぶわっと風が吹いて、でもそんな強いのは一瞬で

『わあ、屋上っていいもんだね』

て、独り言呟くぐらい、気持ちよかった。

フェンスに、ハンガーに掛けた制服を吊るして
飛んでいかないように見張るために、その下に腰掛けた。

そしたら、閉めたはずの扉がギィとさびた音を立てて開いて

NJ「あれ？Aさん？」

『な、ナムジュン先生』

ひょこっと顔を出したのは、ナムジュン先生だった。

NJ「なんだ、先客が居たか」

ナムジュン先生は、私の方へと歩いてきて
体操服のままの私と、制服を交互に見て

NJ「どうしたの？何かあった？」

って、急に心配の目になって
私の目の前にしゃがみ込んだ。

きっと、手首のこともあったから

『先生、私、友達ができました』

NJ「えっ？」

体育座りしたまま、にっと笑って

『しかも、女の子の』

『この制服は、その証です』

先生は、一瞬、訳が分からないという顔をしたけど
少し考えて

NJ「Aさんは、回りくどいのが苦手なんだね」

て言ったから

ああ、やっぱり先生のこと、好きだなって
胸がむわっと暖かくなって

『先生、どうすれば、先生に釣り合えますか』

先生の事が気になるに決まってるよそんなの。

あの教室で出会った時から
私は、先生の事を先生として、見ることができなくなってた。

『どうすれば、先生に追いつけますか』

真っ直ぐな目で、ナムジュン先生を見ると

先生も、同じ目で私のことを見てくれていた。