青い花 番外編

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Aside



｢相良さん｣
貴｢どうかした？｣

後輩の滝本くんが小走りで寄ってきた。
彼が就職してすぐ、教育係として
あたしは面倒を見た身で、それ以来
よく相談を受ける。

｢この資料ってどこにあります？｣
貴｢あ、これ…えっと、C-2かな｣
｢あそこの角曲がったとこですよね？｣
貴｢うん、わかる？｣
｢曲がった先なんで迷いませんよ笑｣

そう言ってC-2に向かったのを
確認してあたしも作業に戻る。

貴｢…………やっぱり気になる｣


滝本くんは方向音痴らしく、
外に出る時もたまに迷う。
東京で迷うとなると、あの人混みで
探すのが大変だとぼやく人を数人見たことがある。

教育係だった時は、
ほとんどあたしが付きっきりで
教えてたから気づかなかった。


角を曲がって見ると、滝本くんの姿はなく
C-2を見ても電気はついていなかった。

貴｢嘘でしょ、勘弁してよー…｣
太｢あれ？Aやん、どしたん？｣

後ろから太陽が声をかけてきたから
一応聞いてみた。

貴｢太陽、滝本くん見なかった？｣
太｢滝本くん？あ、あの方向音痴の子？
さっき向こうですれ違ったで？｣
貴｢全然方向逆じゃない…わかった、ありがとね｣

そう言って太陽と別れて
教えられた方を歩く。



にしても、肩書きが方向音痴って気の毒…



貴｢もうー…どこ行ったのよ…｣



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