青い花 番外編

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Aside



拓｢お願いしまーす｣

拓弥の映画の撮影で着いてきた相良です。
ヒロインを狙う王子様的な男の子役で…

監督の掛け声で始まるワンシーン

恋愛映画にありがちな壁ドン。



完璧に覚えたセリフを何のことなく
サラサラと、感情を込めていく拓弥。

あの拓弥が王子様って、とか思ってたけど
周りのスタッフさんがべた褒めするほどに
上手くやれている。


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｢カット！！拓弥くん、今日のところは
おわりでいいかな！｣
拓｢ありがとうございました｣

監督さん、スタッフさんに会釈をして
着替えを済ませてから車に乗り込む。


拓｢つかれた｣
貴｢お疲れさま｣
拓｢よくあんな小っ恥ずかしいセリフ思いつくよな｣
貴｢まぁ、ベタだよね｣
拓｢自分で言ってて寒気したわ｣
貴｢こら、仕事なんだから｣
拓｢女子って王子様みたいな男子が好きなの？｣

後部座席から少し身を乗り出して
バックミラー越しに疑問を投げかけてきた

貴｢うーん、王子様っていうか…優しい人？｣
拓｢…ふーん｣
貴｢ちなみに、拓弥は程遠い…ぃだっ！！｣

言いかけたところで後ろからチョップをくらった。


拓｢俺だって優しくできるわ｣
貴｢あたし優しくされた記憶ないけど？笑｣
拓｢優しくする必要ねぇもん｣
貴｢ひっど｣


口は悪いけどあたしの話し相手をしてくれたり
話を繋げてくれてるさりげない優しさは
気づいてるけど、それに触れたら
また攻撃される気がして黙っておいた。



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