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震えた声で、まるで呪われたように何度も謝罪の言葉を口にする私に異変を感じたのか、るすくんはそのまま私の元へと移動して私を落ち着かせるように、優しい手つきで肩にそっと触れた。
…やめて、お願いだから、そんなに優しくしないで。だって私、貴方のこと、
「＿＿＿＿私との婚約を解消してください」
「…え」
この広い空間に、私の震えた声だけが響いた。
怖い。自分に好意を持ってくれる人のことを突き放すのが。自分が周囲から最低だと罵られるのに相応しい悪役になっているようで、怖くてたまらない。
…でも、逃げるな。これは、私の口から伝えなくちゃいけないんだ。こんなにも私のことを好きでいてくれている人を突き放すのだから、その役目は私が請け負わなくちゃ、意味が無いんだ。
＿＿＿＿それなのに、どうしてこんなにも怖いの？
るすくんは一度聞き返するような言葉を呟いたっきり、何も言ってこない。どうしてとも、ひどいとも、何もだ。
それがひどく不気味に感じて、私の肩を掴みっぱなしの彼の顔を見ることが出来ない。彼が今どんな表情をしているのか、全く分からない。
「…そういうこと」
「…え？」
やっと聞けた彼の声は、彼の口から出たものとは思えないぐらい無機質で、抑揚のない声だった。それに思わず顔を上げると、私は声を失った。
…真顔だった。悲しそうでも、怒りに満ちた顔でもない。無表情で、冷たい瞳で私を見下ろしていた。
「…あ、」
ぶわっと恐怖感が増すのが分かった。…怖い、怖い。彼は今、何を考えているの？
私がその場から動けずにいると、るすくんは片手をポケットに突っ込んで、彼のスマホを取り出すと、手馴れた操作で誰かに電話をかけたようだった。
なに、なにをしているの、彼は？誰にかけているの？
すると電話が繋がったのが、彼は「あぁこんばんは」と軽く挨拶の言葉を口にすると、私のことをチラリと見て…そして笑った。
「さっきぶりですね、九条さん。突然で申し訳ないんですけど、Aさんを今日ウチにお泊めしてもよろしいですか？」
「え…！？っんむ、」
小声ではあったが思わず聞き返すとまるで黙ってろとでもいうようにもう片方の手で口を塞がれる。泊めるってどういうこと…？私そんなこと一言も…。
けれどそんな私の考えを無視するかのように、るすくんはそのまま話を続けた。
「本当ですか？ありがとうございます。
ん？あぁ大丈夫ですよ。明日にはちゃんとお返ししますから…。
＿＿＿＿ちょっと、話したいことがあるだけです」
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時雨(プロフ) - おもちもちもちさん» コメントありがとうございます!!そう言っていただけるとこちらのモチベーションにも繋がりますのでとても嬉しいです(; ;)もう少しでまた更新できそうですのでそれまでもうしばらくお待ちいただけるとありがたいです^^* (2020年2月17日 17時) (
レス) id: 27a105a2bf (このIDを非表示/違反報告)
おもちもちもち - やっっっっべぇめっちゃ好きです…(俺の語彙力飛んでった←)更新楽しみにしてるんで、無理のない程度に頑張ってくださいね！(？) (2020年1月17日 1時) (レス) id: b8721ff069 (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - さくりさん» 返信遅れてすみません…!!コメントありがとうございます!!もう少ししたら更新が出来そうですので、それまでお待ちいただけるとありがたいです…!! (2019年12月5日 21時) (レス) id: 27a105a2bf (このIDを非表示/違反報告)
さくり - 初めてコメントをさせていただきます〜、さくりです！この話自分にドストライクすぎてヤバいです…！更新待ってます！！ (2019年11月9日 17時) (レス) id: 11e1fd3e2e (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - ぽんずさん» コメント＆通知登録ありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです、これからも頑張りますね！ (2019年7月15日 21時) (レス) id: 27a105a2bf (このIDを非表示/違反報告)
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