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連れていきたいとこ、というのは今の流れからして黒崎さんのお気に入りの場所なんだろうな、と一人で納得をしてうん、と頷いた。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


あれから電車で数駅乗り降りをして彼について行くと、両親が亡くなる前私が住んでいた街へと着いた。

この街には小さい頃からお世話になっていて歩みを進めていくごとに目の前に広がる光景が次々に私の思い出と重なっていく。

懐かしい、といってもこの街から出て行ったのは九条家の養子に入ってからなのでつい最近まではここに住んでいたんだけど。


それでも愛着のあるこの街に来れて思い出に浸って辺りを見渡しながら歩いていると、隣でクスクスと笑い声が聞こえてきて、そこで我に返った。


…黒崎さんのこと、忘れてた。


「めっちゃ嬉しそうやね、目輝いてるで?」

「ま、まぁ、ずっとここに住んでたから…」


慌てて冷静さを取り繕ってみるも、無駄なようで、彼の笑い声が絶える気配はしなかった。


「そ、そういえば黒崎さんが私を連れていきたい所ってこの街にあるの?」

「そうやで、多分Aも知ってる場所。


…ほら、着いた。」


そう言って彼は足を止めた。釣られるように私も足を停止させて彼が見ている方向を向くと


「…公園?」


そこには私が小さい頃よく遊んでいた公園があった。遊具も当時のままで昔の記憶が…


「あ、あれ…?」


ちょっと待って。私何か大事なこと忘れてる。

黒崎さんは何故ここを知っているの?何故ここに私を連れてきたの?


『前みたいにるすくん、って呼んでくれたってええんやで』

『俺はるす、るすって呼んだってや』


…あれ?

まるでバラバラに散らばっていたパズルピースが、一つずつはまっていくように、私の記憶がどんどん繋がっていく。


そうだ、私はここで“るすくん”に会っていた。

そんな長い期間ではない、数日間だけ。だから成長するにつれすっかり彼のことも、彼との思い出も忘れていた。

黒崎さんは自分のことをるすくんと呼んでもいいと言っていた。つまりーー


「…るすくんは、黒崎さんなの?」

「…!思い出してくれたん?」


黒崎さんは一瞬驚いたような表情を見せたあと今までにないぐらいの嬉しそうな顔と潤いがかかった瞳で私を見つめた。

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時雨(プロフ) - おもちもちもちさん» コメントありがとうございます!!そう言っていただけるとこちらのモチベーションにも繋がりますのでとても嬉しいです(; ;)もう少しでまた更新できそうですのでそれまでもうしばらくお待ちいただけるとありがたいです^^* (2020年2月17日 17時) (レス) id: 27a105a2bf (このIDを非表示/違反報告)
おもちもちもち - やっっっっべぇめっちゃ好きです…(俺の語彙力飛んでった←)更新楽しみにしてるんで、無理のない程度に頑張ってくださいね!(?) (2020年1月17日 1時) (レス) id: b8721ff069 (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - さくりさん» 返信遅れてすみません…!!コメントありがとうございます!!もう少ししたら更新が出来そうですので、それまでお待ちいただけるとありがたいです…!! (2019年12月5日 21時) (レス) id: 27a105a2bf (このIDを非表示/違反報告)
さくり - 初めてコメントをさせていただきます〜、さくりです!この話自分にドストライクすぎてヤバいです…!更新待ってます!! (2019年11月9日 17時) (レス) id: 11e1fd3e2e (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - ぽんずさん» コメント&通知登録ありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです、これからも頑張りますね! (2019年7月15日 21時) (レス) id: 27a105a2bf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:時雨 | 作者ホームページ:***  
作成日時:2018年11月8日 0時

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