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「わざわざ迎えに来ていただいて、ありがとうございますわね、黒崎さん!今後とも娘をお願いいたしますわ!」

「いえいえ。こちらこそ、よろしくお願いします」


門の前で、満面の笑みを浮かべた義母が黒崎さんにお礼を言うと、彼もまた、人の良さそうな笑みを返した。



前も見たことのあるやり取りに半ば呆れながら、私は自分の全身の服装を確認した。


シンプルだが、どことなく品のある黒いワンピースに、白いパンプス、首元には華奢な大きさのネックレスがきらきらと小さい光を出している。当然全てが高級品。

メイクもいつもより入念にさせられて、誰が見ても完璧な“おめかしスタイル”だろう。


(別にここまでしなくていいのに…)


今朝、黙っておく訳にもいかないので義母に今日の夜彼と約束をしたことを話すと、彼女は驚きの声をあげた後、彼に気に入られているようで良かった、これで九条家は安泰だと喜んでいた。

その様子から、分かってはいたが彼女にとって何よりも大事なのは家の名誉であり、私はあくまでその名誉を守るための道具でしかないのだということを改めて実感し、複雑な気持ちになった。


別に今更傷つきはしないけど、だからといって嬉しい気持ちにならないのも事実であって。


まぁとにかく、正直こんな人の隣にいるのですらも嫌なのでさっさと出発してほしい、という気持ちを込めて黒崎さんを見つめたら、それを感じとったのか偶然なのかは分からないが、彼も同じタイミングで私の方へと視線を向け、目が合う形にとなった。


そこで私の表情を見て察したのか、「それではそろそろ、」と上手いこと話を切りあげてくれた。


「あぁ、そうね。それでは楽しんできてくださいね。A、黒崎さんに失礼なことをしないようにね?」

「…はい」


その声はとても優しくて、まるでこの人そのものが良い人に見えてきそうになるが、生憎彼女は、私が知っている限りそんな善人、という感じでもない。


ただ、普段屋敷で私のことをお荷物扱いする人が、ここまで態度が豹変すると、色々な感情を通り越して、シンプルに怖い、と感じてしまうのだ。

◆→←消えない執着心



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時雨(プロフ) - おもちもちもちさん» コメントありがとうございます!!そう言っていただけるとこちらのモチベーションにも繋がりますのでとても嬉しいです(; ;)もう少しでまた更新できそうですのでそれまでもうしばらくお待ちいただけるとありがたいです^^* (2020年2月17日 17時) (レス) id: 27a105a2bf (このIDを非表示/違反報告)
おもちもちもち - やっっっっべぇめっちゃ好きです…(俺の語彙力飛んでった←)更新楽しみにしてるんで、無理のない程度に頑張ってくださいね!(?) (2020年1月17日 1時) (レス) id: b8721ff069 (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - さくりさん» 返信遅れてすみません…!!コメントありがとうございます!!もう少ししたら更新が出来そうですので、それまでお待ちいただけるとありがたいです…!! (2019年12月5日 21時) (レス) id: 27a105a2bf (このIDを非表示/違反報告)
さくり - 初めてコメントをさせていただきます〜、さくりです!この話自分にドストライクすぎてヤバいです…!更新待ってます!! (2019年11月9日 17時) (レス) id: 11e1fd3e2e (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - ぽんずさん» コメント&通知登録ありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです、これからも頑張りますね! (2019年7月15日 21時) (レス) id: 27a105a2bf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:時雨 | 作者ホームページ:***  
作成日時:2018年11月8日 0時

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