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「そらるさん?」


また新しい名前だ。彼らの仲間だろうか。しかし二人は私の反応に逆に不思議がるような素振りを見せる。



「え。Aはそらるさんのコト知らないんだっけ?」

「みたいっすねぇ、俺もてっきり知ってるもんだと……あーそれかアレかな、そらるさんが関わっているのはボスと幹部の四人だけとか?」

「あ〜ありえるねそれは。ま確かに幹部クラスでもないとそらるさんが誰だか知る機会もないか」

「…?」



ぽんぽんと飛ぶ彼らの会話に首を傾げる。今までの言動から私達の組織の情報は丸分かりだと分かっていたため幹部の人数などについては今更疑問にも思わなかったが、それ以外は違う。

まるで私と『そらるさん』が面識があってもおかしくないようなその物言いに違和感を感じる。私は聞いたこともなかったのに。



「てか俺思ったんだけどさぁ、」



その疑問が解消されないまま、なるせさんは話題を変えた。くりっとした桃色の瞳が私を映す。



「俺Aをここに連れてくる前にAに関する情報見たけどさ、すっごく優秀だったみたいじゃないですか?

頭も切れるし武力も申し分ない。俺らには歯が立たなかったけどそれは俺らが他の奴らより武道に自信があっただけ。そんじょそこらの半グレ相手ならまず勝てんだろ。

他にも潜入の仕事がこなせるぐらいの細かい所作諸々も全てが一流クラス。いやマジパないね、ほんと」




「全部センラさん仕込み、ってわけか」





冗談めいた口調から一転。低い彼の声がやけに脳に浸透した。


「…センラさんのことも知っているんですか」



彼の口から突然センラさんの名前が出て思わず動揺するが、冷静を装ってそう聞き返すとまたさっきと同じおちゃらけた雰囲気が彼の中に戻っていた。


「はは、知ってるよ全部。あんくさん様々だわホントに。ただねぇ俺は、」



彼は持っていたグラスをテーブルに置く。コン、とした音がやけに響いたような気がした。



「Aってマジで優秀なのに、アナタの大好きな上司はそんなアナタを昇格させずに自分の手元から離さなかったんだね、って思っただけ」

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時雨(プロフ) - なんさん» コメントありがとうございます!これからも何卒お付き合い頂けますと幸いです🙇‍♀️ (12月18日 10時) (レス) id: b85bf6c9d0 (このIDを非表示/違反報告)
なん(プロフ) - 更新めちゃくちゃ嬉しいです!作者さんのペースで更新頑張ってください! (12月17日 23時) (レス) @page48 id: 490d5409aa (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - FAMIRAさん» コメントありがとうございます!頑張りますのでこれからも何卒よろしくお願い致します😭😭😭 (2022年10月31日 22時) (レス) id: b85bf6c9d0 (このIDを非表示/違反報告)
FAMIRA - すごく面白いです!(๑>◡<๑)更新、ファイト!です!٩( 'ω' )و (2022年9月8日 17時) (レス) @page40 id: 58cb53495b (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - Yuさん» コメントありがとうございます!わわわ丁寧に褒めて頂けて恐縮です泣 これからもお読みいただけますと幸いです…! (2021年10月22日 18時) (レス) @page23 id: 27a105a2bf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:時雨 | 作者ホームページ:***  
作成日時:2019年9月4日 17時

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