◆ ページ24
「ウチはねとにかく情報操作が得意だから、絶対に他のファミリーには知られないようにできているの。それと僕達はかなり少人数だから動かしやすいってのもあると思うけどね。
そして反対に、知りたい情報があれば色んなルートを駆使すればそれを入手もできる。例えば、君の本名とか。」
「…」
裏社会に身を置く者はその危険性から普段は偽名を使っているということが少なくない。当然、まふまふやなるせといった名前も偽名だろう。
そして私の本名も知っているのは浦島坂田船のリーダーとその幹部三人だけのはずだった。それなのに彼等は当たり前のようにあの四人しか知らない私の本名を知っているから疑問に感じていたが、腑に落ちた。
この組織の存在が今まで知られていなかったということは事実であるので本当に情報操作が得意なのだろう。いや情報に関してだけではない、武力だって此方の何人もいた見張り役をあっさり倒せるぐらいだ、相当レベルの高いものだろう。
「君のいる浦島坂田船についても調べさせてもらったよ、といっても僕らが用があるのはAだけなんだけどね。Aをウチに連れて来させるために他の構成員とかアジトの構造とか色々調べた、って感じかな。」
「っあの、ずっと聞きたかったんですけど、その私をここまで連れてきた理由って…?」
「あぁ、それはね____」
まふまふさんが口を開きかけた途端、ガチャリと音をたてて扉が開いた。
「まふさん、その子起きました…って、バリバリ起きてましたね。」
「あっ!あらきじゃーん。おつ〜」
「あっれ、なるせもいんじゃん。なに、三人で仲良く喋ってたわけ?自分お邪魔でした?」
「いやいやそんなことないですよ!ていうかそのうちAに紹介するつもりでしたし。」
部屋を覗くようにして入ってきた男の人と合わせて三人で進んでいく会話についていけずにいると、まふまふさんがぱっと私の方へと振り向いて微笑んだ。
「A、この人はあらきさん。僕達の仲間だよ。」
「やーどうも、あらきですー。昨日ぶりね?Aちゃん。」
.
1165人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
時雨(プロフ) - なんさん» コメントありがとうございます!これからも何卒お付き合い頂けますと幸いです🙇♀️ (12月18日 10時) (レス) id: b85bf6c9d0 (このIDを非表示/違反報告)
なん(プロフ) - 更新めちゃくちゃ嬉しいです!作者さんのペースで更新頑張ってください! (12月17日 23時) (レス) @page48 id: 490d5409aa (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - FAMIRAさん» コメントありがとうございます!頑張りますのでこれからも何卒よろしくお願い致します😭😭😭 (2022年10月31日 22時) (レス) id: b85bf6c9d0 (このIDを非表示/違反報告)
FAMIRA - すごく面白いです!(๑>◡<๑)更新、ファイト!です!٩( 'ω' )و (2022年9月8日 17時) (レス) @page40 id: 58cb53495b (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - Yuさん» コメントありがとうございます!わわわ丁寧に褒めて頂けて恐縮です泣 これからもお読みいただけますと幸いです…! (2021年10月22日 18時) (レス) @page23 id: 27a105a2bf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ