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「どうしたんですか、うらたん。こんな所にわざわざ足を運んで」

「んー?いや、ちょっとした用があったから来ただけ…つかさ、」


カツカツと踵を鳴らしながら俺の所まで来ると、俺の足元に転がっている『元』部下を見てハッと鼻で笑った。


「すごいねー"これ"。めっちゃボコられてんじゃんかわいそー。あーあ、センラが苛めるからー」

「いや絶対思ってへんやろ。第一こういうの(・・・・・)を1番嫌ってんのはうらたんやん」

「そんなムキになんなって〜…まぁ否定はしねぇけど」


そう、彼は全ての物事を徹底的に支配したい所謂『俺様』タイプで、自分の名前を勝手に使用された挙句優秀な部下が攫われたとなると当然黙っているはずなどないわけで、すぐに敵に脅されAを呼びつけた部下の始末命令を俺に下した。

…だから俺は命令通りにそいつを始末したというのに、どうして彼はどこか可笑しそうな様子で笑っているのだろう。理解できへん。


するとうらたんは「センラさ、」と口角は上げたままそいつから俺へと目線を移した。



「冷静ぶってはいるけど、実はめちゃくちゃキレてんでしょ、Aが誘拐されて」

「…?そりゃキレますよ、優秀な部下が攫われたんやから。うらたんやって同じやろ」

「まぁね。…でも俺が言いたいのはそういうことじゃなくてさ、Aに対しての感情は"それ以上"でしょってこと」

「…は、何言ってるんですか、アンタ」



俺がAに対して仕事関係よりも上の感情?そんなのあるはずがない。

確かに彼女はかなり優秀で、俺に対して若干崇拝傾向にあることも知っていた。だから信用出来たし常に俺の隣に置かせていた。けど、それだけのことだ。別にAのことをそういう目で見たことなど、一度もない。

しかしうらたんは口角を下げることなく話を続けた。


「だってさ、俺確かにお前に裏切り者を始末しろとは言ったけどさ、別にボコボコにしたあとに殺せとは言ってないよ?
しかも途中から話聞いてたけどさ、『嬲る趣味はない』って、いや思いっきり嬲ってんじゃん何あれ無意識?こっわ!」

「…別に、大切な部下がそいつのせいで誘拐されたとなったら多少殴るのも仕方ないと思いますけど」

「…ふーん、『大切な』部下、ねぇ…」

「何が言いたいんですか」


意味深げに呟くうらたんに段々苛立ちを隠せなくなる。しかし当の彼はそんなこと全く気にしていない様子でクスリ、と笑った。

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時雨(プロフ) - なんさん» コメントありがとうございます!これからも何卒お付き合い頂けますと幸いです🙇‍♀️ (12月18日 10時) (レス) id: b85bf6c9d0 (このIDを非表示/違反報告)
なん(プロフ) - 更新めちゃくちゃ嬉しいです!作者さんのペースで更新頑張ってください! (12月17日 23時) (レス) @page48 id: 490d5409aa (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - FAMIRAさん» コメントありがとうございます!頑張りますのでこれからも何卒よろしくお願い致します😭😭😭 (2022年10月31日 22時) (レス) id: b85bf6c9d0 (このIDを非表示/違反報告)
FAMIRA - すごく面白いです!(๑>◡<๑)更新、ファイト!です!٩( 'ω' )و (2022年9月8日 17時) (レス) @page40 id: 58cb53495b (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - Yuさん» コメントありがとうございます!わわわ丁寧に褒めて頂けて恐縮です泣 これからもお読みいただけますと幸いです…! (2021年10月22日 18時) (レス) @page23 id: 27a105a2bf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:時雨 | 作者ホームページ:***  
作成日時:2019年9月4日 17時

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