◆ ページ11
全く知らない声だった。それなのに、私の本名を当たり前のように口にするところがあの時の男と重なった。
(…仲間ってこと？)
「もしもーし、聞こえてる？なに、ビビってんの？」
「…用件は」
「ははっ話が早いね、流石。用件は簡単、今俺達がいるとこまで来て。
あー入口って言った方が分かりやすい？」
「…」
敵の
…どうする、恐らく彼は強い。ここはセンラさんを待っていた方がいい気もするが、でも彼は今うらたさんの所に行っている。すぐに彼が戻ってくるという保証はどこにもない。
すると、まるで私の考えを読んだかのように、あー、と再度男の声が受話器越しに聞こえてきた。
「別に、嫌なら来なくてもいいよ？まぁお仲間が大事じゃないなら、だけど！」
「ガッ、ハ…」
「っ！やめて、お願いだから、」
受話器の向こうからボゴッと鈍い音と苦しそうに悶える構成員の声。サーっと顔が青ざめていくのと心拍数がどんどん上がっていくのを感じた。
どうし、よう。このままじゃ間違いなく彼らは殺される。助けるためには…
(私が行くしか、ないのか)
「…入口に行けばいいんですよね？」
「そうそう。賢いお嬢さんで良かった。
あぁ勿論、一人で来てね？誰か連れてきてると分かった時点でここにいる奴ら全員殺すから」
そこで電話はきれた。向こうがきったらしい。
(…早く、助けなきゃ)
懐からいつも携帯している銃を取り出すと、私はドアを開け、入口へと向かった。
◆
「なに、これ…」
入口に着くと、私は目の前の光景に驚愕した。
これはどこのマフィアでもそうだと思うが、
それがどうだ、入口に立っているのは、私と、目の前の女の、二人だけ。
それ以外の、ここの警備を担当していた筋肉質の人達は皆、
小刻みに震えている人、痛みに悶えている人、完全に気を失っている人…状態は様々だが、誰一人として地に足をつけて立っている人はいなかった。
思わず目の前の女をキッと睨みつけた。
桃色の髪にふんわりとウェーブがかかった、随分と小柄な女だ。
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時雨(プロフ) - なんさん» コメントありがとうございます！これからも何卒お付き合い頂けますと幸いです🙇♀️ (12月18日 10時) (
レス) id: b85bf6c9d0 (このIDを非表示/違反報告)
なん(プロフ) - 更新めちゃくちゃ嬉しいです！作者さんのペースで更新頑張ってください！ (12月17日 23時) (レス) @page48 id: 490d5409aa (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - FAMIRAさん» コメントありがとうございます！頑張りますのでこれからも何卒よろしくお願い致します😭😭😭 (2022年10月31日 22時) (レス) id: b85bf6c9d0 (このIDを非表示/違反報告)
FAMIRA - すごく面白いです！(๑>◡<๑)更新、ファイト！です！٩( 'ω' )و (2022年9月8日 17時) (レス) @page40 id: 58cb53495b (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - Yuさん» コメントありがとうございます！わわわ丁寧に褒めて頂けて恐縮です泣 これからもお読みいただけますと幸いです…！ (2021年10月22日 18時) (レス) @page23 id: 27a105a2bf (このIDを非表示/違反報告)
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