7/7(日) 朝 ページ40
何も予定の無い日曜日は昼近くまで寝て過ごすのがセオリーだ。
心地の良い眠りを邪魔するように枕元に置いていたスマホが何度も震える。目を瞑ったままその音の現況を止めようと手を伸ばせば間違って通話ボタンを押してしまったらしい。
『おはようございますA先輩。13時にいつものゲーセン集合で』
「おはよう。悪いんだけど私急な予定入れないようにしてるの。少なくとも前日までにアポを取ってくれるかしら、可愛い可愛い後輩くん？じゃあ二度寝するからおやすみ」
スマホ越しに聞こえたショッピの声に捲し立てるようにして答えてから電話を切ろうとするも、それよりも早く彼が口を開いた。
『この前助けて上げたやないですか。可愛い可愛い後輩くんに感謝の気持ちはないんですか？』
「あるよ、あの時はありがとう。今度飲み物奢ったげるね。じゃあおやすみ」
『あるんやったら付き合ってくれたってええやないですか。大先生とは行くんに俺とは行ってくれないんですか』
少しだけ不機嫌そうなショッピの声色と台詞から「あぁ」と声が漏れる。
どうやら彼は鬱本人から聞いたのか、はたまたどこかで見ていたのか。兎にも角にも彼は鬱との放課後デートをした事に対して何か思うところがあるようだ。
「鬱と映画見に行ったのはテスト勉強に付き合ってもらったからであって─」
『待ってください、映画見たんすか？』
「え、そうだけど。その事言ってたんじゃないの？」
『ゲーセンで二人でいるとこ見たんで…』
映画の後、気分直しに行ったゲームセンターにショッピとチーノも居たらしい。影から見られていたとは知らなかった。
「声かけてくれればよかったのに」
『前に大先生がデートしてた時に声掛けてめっちゃ怒られたんでやめたんです』
「それは…良くないね。やめて正解」
『兎に角今日13時にゲーセン集合。いいっすね？』
「わかったよ。でも今から準備じゃちょっと時間かかるから14時にして」
通話のせいで目も冴えてきてしまった。時間を確認すれば11時。これから準備してブランチになる昼食を済ませて、と考えれば13時では間に合わない。
時間指定をすれば少し明るくなった声色で「了解です」と聞こえ通話が切れた。
「お母さん、ちょっと昼から出かけてくる」
「あら珍しい。金曜のデート相手とかしら？」
「その後輩くん。着替えたらご飯食べるね」
リビングに居た母親にそう伝えると「モテモテねぇ」と楽しそうな声で言うのでため息しか出てこなかった。
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美桜(プロフ) - こねまるさん» コメントありがとうございます。好みと言っていただけてとても感激です…！更新頻度が少し落ちていますが最後まで走り抜けたいと思ってるのでこれからもよろしくお願い致します。 (2021年2月11日 10時) (
レス) id: 370c9193fb (このIDを非表示/違反報告)
こねまる(プロフ) - 全てが好みすぎてやばいです…もう何回も読み返してます…!!この作品とっても大好きです! 無理せず更新頑張ってください!!! (2021年2月11日 1時) (レス) id: 02de4baf3e (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - アルみかんさん» 100票目ありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです！これからも精進していきますのでよろしくお願いいたします。 (2021年1月13日 20時) (レス) id: 370c9193fb (このIDを非表示/違反報告)
アルみかん(プロフ) - 100票目押させて頂きありがとうございます！これからもついて行きます！ (2021年1月12日 23時) (レス) id: 3b84e69a91 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - なコさん» コメントありがとうございます。題の乙ゲー感に気づいていただけて嬉しいです。そして、名前のご指摘ありがとうございます。私が気づけた範囲で修正させて頂きましたのでまだありましたら教えていただけると幸いです。これからもよろしくお願い致します。 (2021年1月5日 18時) (レス) id: 370c9193fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：美桜 | 作成日時：2020年12月16日 18時
