死後の世界で出会った僕たちは2

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kj side


dt「…ありがとう、止めてくれて。強いね、向井さんは」
宮舘さんはそう言ってくれるけれど、俺は決して強い人間じゃない。
でも、だからこそ、目黒さんに伝えられることがあるんだ。


「なあ、目黒さん。復讐を終えたら後はどうなってもいいなんて言うとったけど、そうも行かへんもんやで」
mg「そんなことない。今度こそ絶対成功させてみせる。それで、全部終わったら、後は姉ちゃんに会いにいくだけだ」
「そう簡単に終わらんって」

mg「何？また失敗するってか」
「それもそうかもしれへんし、たとえ復讐を遂げることが出来たとしても、晴ればれとした気持ちで死ぬことなんて絶対出来ひん。俺が経験者として保証したる」
mg「はあ」


俺の話に、目黒さんはいかにも嫌そうな顔で相槌を打つ。
もしかしたらまた、うざいとか説教くさいとか思われているのかもしれない。
俺だって嫌われるのは怖いし、彼のしかめっ面にいちいち心が折れそうになるけれど、それでも、彼に俺と同じ轍を踏んで欲しくはないから…


mg「そりゃ向井さんは家族を残して死を選んだからそう思うのかもしれないけどさ…
俺はもう、失うものなんて何もないんだよ。だからどうなっても後悔なんてしない」

「ちゃうねん。もちろん家族に迷惑をかけたのも反省はしてるけど、それより何より、復讐なんてしてもうたら、自分自身のことが許せんようになってまうから…
だって、殺人犯になるんやで。散々恨んだはずの相手と同じか、それ以上に悪い人間になってまうんやで。
俺は、そんな自分を正当化出来るほど強い気持ちでは居られへん。目黒さんだってきっとそやろ」

mg「…でも」

「そうやって自分を否定しながら過ごすことがどれだけ大変か、俺は今身をもって体感してんねん。家族が生きてるとか死んでるとかいう問題やのうて、自分の気持ちとの戦いや」
mg「…」
「…それに、そんな状態の時に、お姉さんに会う決心なんてつかへんのとちゃうか」

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