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mg side
そして、姉の死をきっかけに、今まで蓋をしてきた犯人への憎しみが抑えきれなくなった俺は、復讐に燃えた。
姉の友人に聞き回った結果浮かび上がってきたのは、当時しつこく姉に言い寄っていた一人の男の存在だった。
姉と大学の同期だったそいつは、姉の件の他にも色々やらかしている最低な奴だという噂だった。しかし、被害者の女性たちが揃って口を閉ざしているせいで、それもあくまで噂の範疇を出ていなかった。
だから、普通に大学を出てそれなりの会社に就職し、今ものうのうと暮らしているようだった。
(あいつだけは絶対許さない…)
それを聞いて、俺の復讐心はますます燃え上がった。
『貴方のしてきたことを知っています。明日の夜10時、素能町3丁目の廃ビルに来てください』
そんな脅迫状めいた手紙を送りつけ、俺はその時を待った。
当日、彼は時間通りにその場所に現れた。
『何の真似かな』
「俺が誰だかわかりますか？」
『さあ、知らないね』
「じゃあ、この人のことは？」
見せたのは姉の写真。
流石に彼にも覚えがあるようだったが、それでも彼は横柄な態度を崩さなかった。
『ああ、彼女には楽しませてもらったよ。あの怯えた顔、最高だったなぁ』
「てめぇ…！」
『今彼女どうしてんの？』
「…亡くなったよ。耐えきれなくなって自分で逝った。お前のせいで姉ちゃんは…！」
『なるほど、そういうことね。お姉ちゃんの敵討ちってわけだ。そうだよね、可愛い弟くん？』
「…そうだよ。今日でお前は地獄行きだ」
俺はナイフを構えると、男に向かって走り出した。しかし一発目は避けられ、そのまま揉み合いになる。
夢中で刺そうとするものの、相手もそれなりに力の強い男で、中々届かない。
その時だった。
突然、後頭部に鈍い衝撃が走った。
俺は立っていられなくなって、その場に崩れ落ちた。
『馬鹿だねぇ、君も。あんな手紙をよこしておいて、俺が一人でのこのこやって来るとでも思ったの？』
振り返ると、鉄パイプを持った仲間の男が、俺を見下ろして醜い顔で笑っていた。
『バイバイ、弟くん』
その言葉を最後に、俺は意識を手放した。
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わかめ(プロフ) - y_さん» コメントありがとうございます。そう言っていただけると励みになります。引き続き頑張りますのでよろしくお願いします。 (2020年5月28日 1時) (
レス) id: ebf6dbcbb7 (このIDを非表示/違反報告)
y_(プロフ) - 作り込まれた世界観でとても面白いです。続き楽しみにしてます！ (2020年5月27日 18時) (レス) id: 80f4b74590 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - ふわふわさん» コメントありがとうございます。気に入っていただけて嬉しいです。席順は時計回りにfk→dt→kj→nb→mg→iw→ab→sk→ruになります。お話のキーになることはない予定ですが、一応この世界に来た順という裏設定になってます。引き続きよろしくお願いします。 (2020年5月24日 8時) (レス) id: ebf6dbcbb7 (このIDを非表示/違反報告)
ふわふわ(プロフ) - お話のテイストが個人的にとても好きです。それぞれの出来事が複雑に絡み合っていく所に、どんどん引き込まれてしまいます…一つ気になったのでお聞きしたいのですが、9人はどういう順番で座っているんでしょうか？もし答えにくい質問でしたらすみません、、、 (2020年5月24日 3時) (レス) id: f520444a12 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - まるめさん» コメントありがとうございます。まさか一気読みしていただけるとは…！まだまだ至らぬ作者ではありますが、更新頑張りますので、引き続き楽しんでいただけたら嬉しいです。 (2020年5月22日 7時) (レス) id: ebf6dbcbb7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わかめ
| 作成日時：2020年5月18日 0時
