死後の世界で出会った僕たちは2

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mg side


それから俺たちの生活は一変した。
姉は精神的に不安定になって、塞ぎ込んだり逆に暴れたりを繰り返すようになった。
当然、大学やバイトにも支障をきたし、しばらく休まざるを得なかった。
その分、俺が働きに出て、家をあけることも増えた。

しかし、責任感が強く、「弟のために」を何よりも優先して暮らしてきた姉にとって、そうして俺に迷惑をかけているということもまた苦しいようだった。


『蓮、ごめんね。こんな姉ちゃんで』
「俺、姉ちゃんのこと好きだよ。大丈夫だから、ゆっくり休みな」

もちろん俺自身は姉のことを迷惑だなんて思ったことはなかったが、いくらそう言っても姉には上手く伝わらず、自分の殻に閉じこもらせてしまうばかりだった。

そして、そんな生活を続けること数年の後、耐えきれなくなった姉はついに、一通の手紙を残して自らの命を終わらせたのだ。

『蓮へ
こんなことになってしまってごめんなさい。
でも、何をしても楽しくない、夢も希望もない生活にどうしても耐えられなくなりました。それに、貴方に迷惑ばかりかけてばかりいる今の私に生きている意味などありません。
今までありがとう。蓮は私の宝物です。私のことは忘れて幸せになってね。 姉より』


(は？何だよこれ…)

帰宅してリビングの机にぽつりと置かれたその手紙を読んだ俺は、慌てて姉の姿を探した。
しかし時すでに遅しで、俺が見つけたのは赤く染まる浴槽と、それとは対照的に青白い顔で動かなくなった姉だった。

俺は絶望のどん底に突き落とされたような気分で、涙することも忘れ、しばらくその場から動くことが出来なかった。

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