何万回だって「君が好き」 (ページ24)

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赤×桃ページ24

そんな日が続いて、今日もいつも通り、家の前で待っていた。

桃「もう…会えないんかな」

俺が諦めてどうすんねん。

頭では分かってるんやけど、もう辞めてしまった方が楽なんじゃないかとか考えた。

あの日、しげに別れを告げられてから、俺はどんどん変わっていった。

笑うことが減り、しゃべることも減った。
食欲も無く、体重は4キロも落ちていた。

その度に、どれだけしげのことが好きなのか、思い知らされた。

桃「どこいるん…」

スマホを開くと、時刻は夜9時。

さすがにもう帰ってこない、そんな気がして、俺は立ち上がった。

そして、家へ向かう途中、公園で誰かいるのが見えた。

こんな時間になにしてんねやろ。

いつもなら通りすぎるその公園。

でも、その日はなんとなく通りすぎたらいけないような気がして。

公園に近づくたび、そこにいる人がはっきり見えてくる。

ブランコに座って下を向いている男の子。

泣いてるんかな？
少し声が聞こえる。

どことなく懐かしい感じがした。

声を押し殺すように小さく泣いている彼。

なんでそんな泣いてるん？なにがあったん？

その姿は俺の好きな奴に似ていた。

その時、

？「…ごめん…」

消え入りそうな声で誰かに謝った男の子。

かすかに聞こえただけの声。

その声は俺がずっと聞きたかった声だった。

毎日毎日隣でうるさいほど騒いで、俺の名前を呼んでくれた、男にしては少し高い声。

間違えるわけないやん。

俺は公園のブランコに近づいた。