セクシーちゃんの体調不良

･ ページ22

健人side



『お前が嫌いだから。』



わかってる。
何となく予想はついてた。



なのに……

なのに、溢れ出す涙。



ス「おもしれぇな〜」

ス2「おいおい、もうそろそろ辞めてやれよw」

ス「そうだな。おい中島健人。」

「……はい。」

ス「明日からここのスタジオで撮影ある時は、休憩時間になって30分以内にご飯とトイレを済ませろ」



え…どうして？


まさか……




ス2「30分を過ぎたら必ずこの部屋に来い。いいか？このこと誰にも言うなよ？」

ス「約束。守らなかったら、どうなるか分かってるよな？」


・





・


_________メンバーを同じ目に遭わせる。


それだけは絶対に避けたい。

こんな目に遭うのは俺だけでいい。


だから、



マ「健人くんおかえり〜」

勝「あれ？遅かったね？」

聡「さっき健人くん遅いねって話してたんだよ？」

風「何かあった？」


「何も無いよ？帰りにトイレ寄ってたからさ」



……嘘をつくしかないんだ。


__________________________________________



次の日も同じ場所で撮影。
その次の日も、その次の日も。


ここ2週間のうちの10日が、このスタジオであった


勝「健人くんそんな急いで食べなくてもw」

聡「まだお昼休憩の時間いっぱいあるんだよ？」


すまん勝利松島。

俺には時間が無いんだ。


風「ほんとにお前、大丈夫か？」

「大丈夫だよ。ちょっと今日は早く食べて自主練したくて」



殴られるために自分から向かうなんて馬鹿げた話だよな。


「失礼します……」

ス「お、きたきた。びびってこないかと思ってた」

ス2「メンバーには言ってないだろうな？もし言ってたらメンバーのこと……」


「言ってないですから！」

ス2「誰にその口聞いてんだよ」


ﾎﾞｺｯ


「ぐはっ、は、はぁ……すいません……」


ﾎﾞｺｯ


ﾎﾞｺｯ


ス「お前知ってた？メンバーがお前のこと嫌ってるの」

「え……??」

ス2「知らなかったの？w言ってたぜ〜、健人くんなんてメンバーにいらなかったな、ってw」


嘘だ……。

きっと嘘に決まってる。


なのに、10日間の暴力の末、
心がズタズタになった俺には


それが本当にしか聞こえなくなってしまったんだ。



ス「これで最後だな…w」


ﾎﾞｺｯ


思い切りみぞおちを殴られた


朦朧とする意識の中、聞こえたのは



風「中島！！！！」



菊池の声だった。

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