「ちょっとしんどいねん」 ページ24
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(side YELLOW)
…油断してたんや。
ドラマと雑誌の撮影の合間にバラエティの撮影まで詰まってんのも、楽屋に来て挨拶も早々にソファで眠ってしまうのも。
いつも通りになってしまってたそれを、看過し過ぎてた。
重「なんや、寝とんの」
中「来てすぐ寝てたで、もうちょいしたら起こさなあかんけど」
濱「最近よお寝てるなあ、疲れてんねやろな」
桐「いつも寝てると言えばいつも寝てるけどな」
重「…ふーん」
ぼすん、と彼女の隣へ腰を下ろしたしげはそのまま自分の肩に彼女を寄り掛からせて、瞼を閉じる。
こうやってお互いに寄り掛かりながら眠るのもいつものことで。
あと15分ぐらいしか無いスキマ時間にしげが仮眠を摂るのも、いつもの事。
重「…なんかこいつ、熱いねんけど」
神「あつい？部屋温めすぎ？」
藤「いや、暖房つけてないで今」
小「そういえばいつもより顔赤いかもな」
重「…」
俺、昨日も一昨日も会ってないから、コイツが元気なんかどうか知らんねん。
ちょっと不安そうにそう言ったしげが、少しだけ身体を離すけど、姫が起きる気配は無くて。
そういえばしげが隣に座った時も微動だにせんかったな、と今更ながらに思う。
重「起こすわ、もうええ時間やろ」
桐「あと5分ぐらいでメイク呼ばれるし、起こそか」
重「…こいつほんま、熱い」
優しく揺らした肩がぐらりと頭を揺らして、いつもより随分と重そうな瞼がゆっくりと持ち上がる。
ぼんやりした瞳が正面に立つしげに焦点を合わせて、
あ、しげちゃん。なんて言いながら笑って。
いつもよりその声が弱く感じるのは、気の所為に思いたい。
重「もうそろそろ時間やて」
「うん、」
重「…起きてるか」
「ん」
ソファを少し軋ませて、立ち上がろうとする動きがいつもより遅くて。
ああ、やっぱり、と思う皆の視線が姫に集中する。
ソファから腰が浮いて、手が離れて。
瞬間、がくんと膝から崩れ落ちて、それを予感してたみたいにしげが抱き留めた。
「…あ、ごめ、」
重「いつからしんどいねん」
「…ええ、怒ってるやん」
重「今は聞いてるだけや」
「これから怒るんやん」
重「ええから、いつからや」
…昨日の夜。
ぽつりと零された言葉にその場の全員が溜息を吐く。
滅多に体調を崩さないこの気丈な姫の不調を、この7人のうち誰かひとりでさえも気付けるところにおらんかったことを心の底から悔やんだ。
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亜由 - 楽しく読まさせて頂いてます。イブとクリスマスのお話が読みたいです。イブはシゲとクリスマスはメンバーと一緒のお話。 (2022年12月23日 16時) (
レス) id: 056f326efc (このIDを非表示/違反報告)
竜胆(プロフ) - 亜由さん» 亜由さん、コメントありがとうございます。読んで頂けて嬉しいです、丁度本日書いていたので書き上げる活力になりました。ありがとうございます、それとお待たせしたようですみません。またお時間のある際に覗きに来て頂けると喜びます。楽しんで頂けますと幸いです。 (2022年12月20日 21時) (レス) id: 4b185b5ed0 (このIDを非表示/違反報告)
亜由 - 遅くにすみません。小説読みました。白と赤の日常のお話が読みたいです。 (2022年12月20日 3時) (レス) id: 056f326efc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：竜胆 | 作成日時：2022年11月17日 18時
