・ ページ2
Aside
山田さんが優し気な笑みで私を見た
これを信じる?
そんなわけがない
私は…この人の笑顔は信じていない
でも、さっき私に見せた苦しそうな表情は…あれは
あれだけは…嘘じゃないでしょ?
違うって言われても…そう信じたいの
だから…
私はあなたに新たな道を切り開いてあげたい
死にたいとか言っておいて山田さんの事を助けたいって思っている
矛盾だらけの人間の心
山田さんはそれを知っている
『郁美を助けてください…
そうしたら、私は死なない
あなたの傍にいてあげる、あなたに人間の心を教えてあげる』
「…は?
なぁーに付け上がってんだ?人間ごときが…
てか、お前もやっぱり死にたくないんだ…自分が可愛いんだ…」
『そんな付け上がる人間だったのは…あなたも一緒でしょ?』
山田さんの動きが止まった
「は?なにそれ…俺が?」
『…さっきから思ってた
あなたは…感情がある…ううん…皆感情があった
もしかして山田さんも他の15人も…皆みんな人間だったんじゃないの…?』
山田さんは私にそっと手を伸ばし
そして
私の首を掴んだ
『グッ…』
「フフッ…これだから賢い人間は嫌いなんだ…
そうだよ、俺はもともと人間
アイツらは…俺がヴァンパイアにした
記憶操作されてるから俺しか覚えてないけど」
やっぱり
やっぱりそうなんだ
「で、それを知ってお前はどうする?
ハッピーエンドでも思いつくのか?笑」
山田さんは笑みを浮かべて部屋を出て行った
『ケホッ…ハァ…ハァ…』
私は人間
どこまでも愚かで貪欲な存在
矛盾にあふれた心
だけど…だからかな、同情してる
信じて、裏切られて、また信じて
これを繰り返すのが人間
どんな形であれ山田さんを助けたい
人間だからできることだと思うんだ
71人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:萌 x他1人 | 作成日時:2019年9月21日 22時