8話 ページ9
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さっきはすみません、ありがとうございました
すぐに既読がついた。
そらるさん俺もごめん。もうすぐお前の家つくから後で話そう。
わかりました。
それだけ送って携帯を置くと、ガシガシと頭を搔く。
傷つけてしまっただろうか。名前も知らない、彼女を。
「最低だ俺……」
...あ。
ふと前を向くと、見知らぬ携帯。
そらるさんでも、ほかの歌い手でもない、それ。
「あの子の...」
ほとんど無意識に手に取っていた。カチッと音を立ててボタンを押す。ロックはかかっていなかった。
僕も知っている青いアイコン。...Twitter、やってるんだ。ほんの少し、興味が湧いて。
僕のリスナーだったし、フォロー、してるのかな。
映し出されたのは、見知ったアイコンだった。
「嘘、だろ」
歌い手のai。
再生回数こそ、それほど多くはないけれど、透き通った綺麗な声。
僕の大好きな歌い手だ。
まさか。
気づかなかった。あの子があいちゃんだなんて。
ということは、もし彼女が本当にあいちゃんなら。あいちゃんは僕のこと、知ってるんだ...。
歌い手という繋がりで、彼女にフォローされるかも、という淡い期待は消えてなくなり、落ち込んだのを覚えている。てっきり僕のことなんか知らないのかと思っていた。
あいちゃんが僕のことを知ってくれている。それだけで嬉しかった。
ちょうど聞こえてきた弾んだ音は、彼が帰ってきたことを知らせるためのもの。
僕は先程よりやや晴れた気持ちで玄関へ向かった。
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たぬき(プロフ) - いえいえ大丈夫ですよ。少しキツイ言葉遣いだったのですみませんでした。 (2018年7月11日 18時) (レス) id: 32f3e2553c (このIDを非表示/違反報告)
ねむい - たぬきさん» うわーー!確かにおかしい!アホだーーーー!すみません、御指摘ありがとうございます!修正します! (2018年7月11日 16時) (レス) id: f5222ccbb5 (このIDを非表示/違反報告)
たぬき(プロフ) - これは、補足ですが私、文章で伝えるのが苦手なのでもしかしたらキツイ言葉遣いだったらすみません。m(_ _)m (2018年7月9日 23時) (レス) id: 32f3e2553c (このIDを非表示/違反報告)
たぬき(プロフ) - 最初に夢主さんは、まふまふさんの家に携帯を置き忘れたとなっていたのに、そらるさんと連絡先交換できるのはおかしいのでは??指摘失礼しました。 感想ですが凄い読みやすくていい作品ですね。これからも応援しています! (2018年7月9日 23時) (レス) id: 32f3e2553c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ねむい | 作成日時:2018年6月28日 22時