もう一度あの場所へ【烏野高校】 (ページ11)

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ちょこっとの好奇心ページ11

『キャー！及川さん～！！！！』

黄色い歓声を上げる女子達。
ん？及川さん？って確か…

及川「トビオちゃん～元気に王様やってる～？」

監督にいつもより念入りにアップをとれ！と叫ばれ、アップするためにこっちにきた及川さん。
どうか私に気付きませんように。というか忘れてるよね？

及川「あれ？Aちゃん？」

「…人チガイデス。」

及川「いや、Aちゃんでしょ？及川さんがこんな可愛い子を見間違えるはずないよ～」

クソ川！と叫ばれると、焦ったようにまた後でね！とアップをとりにいく及川さん。

潔子「ん？Aちゃん、青城のキャプテンと知り合いなの？」

「いや、知らないです。」

うん。ここは知らないフリをしよう。
何故か烏野メンバーも殺気立ってるし。

24 vs 21烏野のセットポイントの時、及川さんがアップをとり終え、コートに立った。

及川「いくら攻撃力が高くてもさ…その“攻撃”まで繋げなきゃ意味ないんだよ？」

と1年の月島くん(潔子先輩に皆の名前を教えてもらいました)を指さす及川さん。
すると凄い威力のサーブを打ち込んだ。

「コート入って1発目にあの威力って…」

日向くんと月島くんがレシーブが苦手なことも見抜いていたみたい。

「…凄いさすが」

しかし烏野は日向くんと影山くんの1年コンビの超速攻でセットポイントをもぎ取った。

日向「A先輩どうでしたか？！」

「皆凄かったね。」

というと嬉しそうに飛び跳ねる日向くん。
でも私が言うのもなんだけどきっと烏野はまだまだ未熟だ。
そして未熟ということは、これから伸び代があるということ…

「…いいな楽しそう…」

嬉しそうに飛び跳ねている烏野のメンバーを見て、ポツリと心の声が漏れた。

潔子「やってみてもいいと思うよ？
Aちゃんきっといろんなことで悩んでるのかもしれないけど、何かを始めるのに"揺るぎない意志"とか"崇高な動機"なんて無くていい。スタートに必要なのはちょこっとの好奇心くらいだよ」

ニコッと笑う潔子先輩は私に何か事情を聞くわけでもなく、そっと背中を押してくれた。