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13話 ページ14

Aside




翌日、今日は教師の職員会議のおかげでいつもより1時間ほど早く帰れることになった。



昨日の出来事もあって、今日は一段と訓練に磨きがかかりそうだ。



A級へのやる気と同時に出水との出来事を思い出す。
精神的に弱っていたとはいえ、なぜあんな至近距離で喋れたのか。



掴まれた手の体温、出水の存外整った顔立ちを思い出して、再び顔に熱が集まる。



その熱を冷ますために自分の冷えた手を両頬に押し当てていると、何食わぬ顔で元凶のそいつは今日もボーダー行くだろーと話しかけてきた。



平常心を装い、出水の顔を見ないように隣にいる男子を見ながら喋った



『行くけど、隣のやつ誰...?』


「おいおい、同級生なのに名前覚えられてねーとか寂しいんですけどー」



と全く寂しそうな様子を見せずに笑っている



「こいつは米屋陽介。隣のクラスでボーダーも俺らと同期だ。」

『へえ、私は依田A。よろしく米屋くん』

「陽介でいいよ、よろしくー。」



出水の肩にもたれかかりながら、小さく私に手を振った。


チャラい...?って訳でもなさそうだけど、なんだか読みづらい人だというのが第1印象。



「俺はまだ名前で呼んでくれねーのな。」

『出水は出水って感じだから、今更変えづらい。』

「だとよ!残念だったな、弾バカ」

「誰が弾バカだ。」


出水は少し不服そうにしながら、行くぞと教室を出て行った。私達も後を追って外に出た。



「そういや、依田は出水の彼女かなんかなの?」

『違うよ、ていうか私も名前でいいから』

「おっけー、A。てっきり付き合ってるんかと思った。そーいう雰囲気あったし。」

『出水は命の恩人。それ以上でも以下でもないよ。』

「ふーん、あっそ。」



陽介は私を一目見た後、興味を無くしたように前で歩いている出水の元へ駆けて行った。



何を考えているかは分からなかったが、自分のことを見透かされているような気分になってすこし不安になった。



その考えをもみ消すように首を振り、私も前を歩く2人の元へ走って行った。



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今回は少しだけ短めで。

11人のお気に入り登録、とても嬉しいです。ありがとうございます。

米屋くんの入隊時期はほんとは半年後なんですけど、物語の都合上で同期に変更しました。すみません。

これからもそういう変更があったりするので、原作と違う点が多々出ますがご了承ください。

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作者名:いーす | 作成日時:2019年4月30日 17時

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