彼女は ページ4
あの驚きの後すぐにお願いをふたつされた
ひとつは、ブラックコーヒーを買ってくること、もうひとつは書類まとめ
1つ目はパシリじゃないか
と思いつつも、上司であることを確認できたので何も言わずに買いに行った
それから数日
俺は鬼咲さんについてわかったことがいくつかあった
一つは、鬼咲さんを上司に持つほとんどの同所属の人は鬼咲さんをよく思っていないという事だ
それは本人も承知のようだった
あの返し方なんてひどかったもんな
〜回想〜
上司1「俺無理、死ぬ…」
上司2「鬼咲って本当鬼だよな。名前にも書いてあるけど。なんで俺たちよりはるかに年下の奴が上司なんだよ。」
俺の聞こえている範囲で堂々と悪口を言っている上司2名
『あら、そんなに愚痴を言ってる暇があったらもう少しはましな資料を作ったらどうかしら?でなきゃ寝れるかもしれない時間も寝れないわよ。』
突然現れた鬼咲さんに肩を震わせる俺たち
降谷「鬼咲さん…おはようございます。」
『うん』
〜回想終了〜
この会話だけでわかったことは、鬼咲さんが嫌われている理由だ
まず、不愛想、そして年下、何よりも、完璧なのだ
仕事にスキがない
そりゃ、格好の妬みの材料と化してしまうだろう
二つ目は、表情筋がほとんど動かない
俺が初めて会った時から、全く笑顔を見せない
三つ目が、家に帰っていない
ずっと公安の仮眠室で過ごしているのだ
果たして家はあるのか
そしてもう一つ、上司二名は気が付いていないようだが、とても部下愛が深い
さりげなく資料にアドバイスの文章を書き加えたり、少しでも相手の功績を上げようしているのは感覚的に分かってきた
肝心のあの二人は全く気が付いていないようだが
『ねえ、あなた、車持ってる?』
隣に座っている鬼咲さんが声をかけてくる
突然の質問に戸惑った
降谷「車ですか?持ってますけど…」
なぜ今聞くんだ?
俺の返答を聞いて突然席を立つ
手には財布
『よし、来て。……早く』
車を出せ、という事だろうか?
俺は勝手にそう解釈して車のキーを片手に鬼咲さんの後を追った
降谷「鬼咲さんはご自分お車は持っていないんですか?」
『……鬼咲じゃなくていい。敬語も外しとけ。』
降谷「え?」
質問とは全く違う言葉をかけられ思わず鬼s…Aさんの方を向く
なぜ鬼咲だとだめなんだ
『……車は、免許を取れるほど暇じゃない。』
……
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作者名:ゆーり☆ | 作成日時:2020年6月22日 23時