episode３６ ページ37
＊
お母さんにただいま、と一声掛け、部屋に入る。
制服を掛け、部屋着に着替えベッドに寝転がって
携帯を開くと佐野先輩から「ごめん、寝てた！」という報告と
私の買い物に行く報告に対しては、「いいじゃん。ていうかなんの報告だよ」と来ていた。
良かった、風邪じゃなかった。
拓海くんには申し訳ないけど、買い物中もすごく気になってたから。
そんなことを考えながらもう１度、佐野先輩から来たメッセージを読み返す。
報告、要らなかったかな。普通、言わないのかな。
だめだ、経験値が無さすぎてわからない。
でも自意識過剰かもしれないけど、もし、何も言わずに買い物行ってたら
佐野先輩嫌がるんじゃないかなって。だから間違ってはない、はず。
そう思い『一応です！』とメッセージを返し、携帯を閉じた。
＊
「A！」
次の日の放課後、佐野先輩と一緒に帰るということで
誰もいない教室で佐野先輩を待っているとそう呼ばれた。
『佐野先輩！』
「久しぶりー」
「って久しぶりってほどじゃねぇけど」と笑う佐野先輩の元へ
リュックを担いで歩く。
「あれ、なんかいつもと口の色違う。」
『変、ですか？』
実は佐野先輩に会う前に昨日買ったリップを塗ってみた。
少しでも佐野先輩に可愛いって思ってほしくて。
「んーん、可愛い。」
『ふふ、良かった。これ拓海くんと買い物行ったときに買ったやつなんです。』
そう言った瞬間、佐野先輩の顔から笑顔が消えた。
「は、拓海って誰。」
聞いたことのない、低い声。初めて見る、怖い顔。
『え、あ、いや、昨日の買い物の…』
「……友達って男だったんだ」
佐野先輩は私の顔をガシっと掴み、
掴んでいる手と反対の手で私の唇をぐいっと拭いた。
リップがとれるくらいの、荒い手つきで。
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柴田んぬ - ys 0418052さん» こちらの作品も読んでいただきありがとうございます！嬉しすぎる褒め言葉です…！また更新頑張れそうです✨ (2022年12月30日 11時) (
レス) id: 694f288174 (このIDを非表示/違反報告)
ys 0418052(プロフ) - 本当にこの作品神すぎませんめっちゃすきなんですけど！！ (2022年12月29日 20時) (レス) id: d04e6957d1 (このIDを非表示/違反報告)
柴田んぬ - ゆいとこさん» 最高の褒め言葉ありがとうございます！早く更新出来るように頑張ります！待ってて頂けると嬉しいです^^ (2022年11月15日 14時) (レス) id: 8796ade977 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいとこ - すごいおもしろかったです〜〜！！キュンとしました！ (2022年10月16日 16時) (レス) @page34 id: e4df59fc58 (このIDを非表示/違反報告)
柴田んぬ - キャモメ参上さん» ２回もコメントしてくださり、ありがとうございます！嬉しすぎます…！待っていただき感謝です、これからも宜しくお願いします！ (2022年9月21日 20時) (レス) @page34 id: 8796ade977 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あのりむ | 作成日時：2022年8月8日 13時
