【夢短編集⑤】 (ページ43)

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request…ut × Love Portion ページ43

普段と違う何かが欲しいと思う事がたまにある。
それは刺激だったり、彼氏の態度だったり。

「ん?何?構ってほしいん?」

「…別に」

たまには私からでなく、彼から甘えてほしい時もある。
なのでちょっとした実験…ではなく、刺激欲しさに"恋の秘薬"というものを買ってみた。
まあ効果があっても増強剤とかそんな感じかな～と、期待もそこそこにラベルを綺麗に剥がして。

「鬱、いつもお疲れ様っ」

と栄養ドリンクに見せかけて飲んでもらった。
本当に、ただ意外な一面が見たかった。
それだけだった。

…♡…

「…何でそんなに離れてるの?」

「いや、別に、何もないけど?気分やん、気分」

「私の事、嫌い?」

「…っう、嫌いなわけないやろ」

嫌いどころか今お前見ても近づかれてもやばいからこっち来んな、とは言えへんな。
いやええけど、今触られたない。

「…うつ?」

「んにゃあっ…っ!!お前!!」

耳元で囁かれるだけで下半身に熱が集まる。
あかん、ほんまにあかん。何でや、何でや!?
いや寧ろいつも抱きたいとは思ってるよ、思ってるけどこんなではない。
俺はこんなんではない。

「ぎゅーっ」

「んぁっ、やからっ……お前ほんまにっ」

抱きつかれるだけで変な声が出る、俺キモっ。
やけど堪えられへん。
Aの背中を強く抱きしめて引き寄せて、首筋に顔を埋める。

「うつ、どうしたの?」

「ん～……ス、したい」

「何?聞こえないよ?」

こいつ、わざとか!?
でもあかん、耐えるっていう事がもう無理や。

「…A」

「何?」

顔を上げてAの顔を間近で見たら、言うか触れるかが早いかで唇が触れる。
触れ合った瞬間に、火花が散ったみたいに何かが俺の中で切れた。

「んっ……う、つ」

拒まれる前に唇を塞いで、眼鏡のせいで僅かに開く隙間を舌で埋める。
吐息混じりに何度も俺は「キスしよ」なんて甘えた声を出して、それこそほんまに溶け合うんやないかってくらい濃い口付けを交わす。

「もうあかんわ」

眼鏡をテーブルに置いて、Aを床に押し倒す。
いつもやったら惚けた顔しとんのに、今日はえらいご満悦な顔して。

「…何やねん」

「ふふっ、甘えたのうつも良いね」

こいつ、なんか知っとんな?
でもまあ、ええわ。

「ばり余裕やな」

Aの顔横に肘をついて、腕で挟むようにしてAの耳を圧迫して塞ぐ。

「うつ、これじゃ声…聞こえにくい」

「ふふっ。聞かさへんし、頭ん中キスの音だけにしてぐちゃぐちゃにしたるわ」

誰が甘えたや。