【夢短編集⑤】 (ページ32)

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rb…after story × Valentine ページ32

今日は2回目のドレス選び。
1回目は初めてで緊張して、ロボロがずっとゆっくり悩んでええよって言ってくれた。
ウェディングドレスも、カクテルドレスも、種類が多くて本当に悩んでしまう。

「……う、また悩む」

「あははっ、悩むもんちゃう?こん中から1着しか選べへんのやろ?たっぷり悩んだらええやん」

「そうなんだけど～」

私が着たいのはピンクで、それはずっと憧れていた色のドレスだった。
だけど、同じピンクでも色々ありすぎる。
可愛いのがいいな。

「何か理想はありますか?例えばスカートは思いっきりヒラヒラなのか、ふわっとしてるのか」

「ん～、と…」

幸い、プロがそばにいてくれるから的確なアドバイスをしてくれる。
ロボロはと言うと、ドレスから離れたところで何かを見ている。

「とりあえず、これを…」

「はい、ではこちらへ」

何で一緒に選んでくれないの～なんて悩む時間が長すぎて我儘も言えず、自分で選んだドレスを着て、試着室から出るとロボロがぽかんとした顔になってしまった。

「…あ、変?」

「いや…似合うてるし、めっちゃ可愛えし」

なんか、恥ずかしい。
生地を確認するふりをして俯いていると、ロボロが目の前に立っているのが分かって、顔を上げるとふわりと手をかざされた。

「うん、俺が選んだ髪飾りともよお合うわ」

「…え」

ほら、とロボロが私の頭に手を当てたまま鏡の方を向くように促す。
ドレスと色合いが似た、可愛くて綺麗なピンクの髪飾り。

「別々のもん選んでも、やっぱ俺たち趣味合うな」

その言葉がただ嬉しくて、もう即決してしまいたかったけど、レンタル中のドレスもあるらしく、また後日見にくることにした。

…◆…

「ロボロ、たくさん付き合ってくれてありがとう」

「何言うてんねん、俺らの大事なことやろ?俺の選ばなあかん時は、Aが選んでな?」

「うんっ」

帰ってきて、１回目に試着したドレスも見ながら話したり、二人で肩を並べてパソコンで調べたりする。
二人の事を、二人でたくさん考えて決めていく。
その時間がとても楽しい。

「A、このドレス…」

「ロボロ、あーん」

画面に釘付けになっていたロボロに、不意打ちでチョコを差し出してみた。
ロボロは小さな声で、ひい～っと呟いて、私の指まで食べてしまわないように控えめに食べてくれる。

「ふふっ、ハッピーバレンタイン」

「ん……A、もう一個」

忙しくて楽しい時間は終わり。
今からは、たっぷり甘い時間を過ごそうね。