【夢短編集⑩】 (ページ35)

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sha…Don't touch me ページ35

「シャオちゃん、シャオちゃん」

「はいはい、何?」

「お互いに触ったら負けゲームしよ」

「え、嫌やし」

変な提案に思わずテレビから目を離す。
離した瞬間、声援が上がるけどそんなんよりもAのたまにある思いつきゲームを阻止せな。

「罰ゲームは勝った相手の言うことを何でも聞くことだよ?」

「やから嫌やって」

「私が負けたらシャオちゃんの言うこと何でも聞くんだよ?」

「別にいつも聞いてるやん、嫌々言いながら」

「私がやりたいのー!!」

「いや知らんやん、何なんそのゲーム」

ふんっと顔を背けて再びテレビに視線を戻すと、耳を疑う言葉が返ってきた。

「…ふーん?シャオちゃん、負けるのが怖いんだ～?負けちゃうから嫌なんだ～?」

「はあ?現に今も触ってへんやろ、俺が負けるわけないやん!」

「え～、本当かなぁ?そんなに嫌がるから無理なんじゃない?」

「おお、だったらやるやん。やればええんやろ?絶対負けへんからな!!」

◆

たまに思うけど、あいつ俺を乗せるの上手すぎひん?
彼女にすら煽りキャラ取られてもうてるやん、しかもなんかもう負けそうやし。

「何でうつ伏せで寝てるの?」

「A見たら触りたなるから」

「ふふっ、シャオちゃんっ」

「んゔ～、お前それやめろよ～!!ずるいって～!!」

うつ伏せになった俺の耳元で、Aが囁くように名前を呼ぶ。
触られてないのにくすぐったい、右を向けば左耳に、左を向けば右耳に。

「触ってないからセーフだもん」

「……Aは俺に触らんでも平気なんや、ぐすん」

「平気じゃないよ?今もぎゅーってしたいの我慢してるんだから」

「え～、ほんまに?」

起き上がってAと向かい合えば、正座を崩した座り方をしてる両脚にふと触れかける。

「あっぶな」

「ふふっ、もう負けても良いよ?」

「……いや」

触れかけた時、太腿がぴくりと動いたのが分かった。
もう一度、今度はちゃんと触れないように意識して、やけどギリギリ触れそうな距離で両脚の間に指を添わせる。

「……ん」

「何?触ってへんで?」

「…やらしい、その手つき」

「そう?何で?」

空を漂う指先が、Aの下腹部からつーっと臍の上を通って胸の先端を掠める。

「……っ」

「ふふっ、触ったらあかんのやろ?」

そのまままた下に降ろして行く、今度は両脚の力が緩み始めた付け根の間に。

「…っ、シャオちゃん」

触ってないのに、Aの目は熱を帯びて潤む。

「やめる?」

触ってないのに、俺の全身が火照る。