【夢短編集⑩】 (ページ18)

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rbr…June bride.2 ページ18

ロボロに誘われたのはずっと2人で来たかったUSJ。

「ロボロ、エルモにする?」

「Aはどれにするん?せっかくやからお揃いにせえへんか?」

「うんっ」

ロボロは恥ずかしがることなく、私と同じくらい同じものを楽しんでくれる。
これは背を気にするあなたへの皮肉ではなく、私と常に等身大で、肩を並べて、同じ視線で同じ価値観で見て感じてくれることが幸せなの。

「今日はさ、ちょっと付き合ってほしいとこがあんねん」

「ロボロとならどこにだって行くよ」

「んっ、ありがとう」

本当だよ。
あなたがそばにいてくれるなら、私はどこにだって行けるし何だって怖がらず見れるの。
それはあなたが大きな心と、大きな手で私を守ってくれるという安心感があるから。

色んなアトラクションを二人、手を繋いで回った。
そしてロボロに手を引かれてやって来たのは、USJの中にあるワンダーピックス。

「ここって…」

「いっぺんやってみたかったんよな、仮装?Aがハロウィンにやってたやん。まだその時期やないけど、ええかな」

少しだけ恥ずかしいけど、きっとロボロとなら最高の思い出になる筈。
私は頷いて、中へと入る。

そこにはたくさんのカラードレスが並んでいて、なんとヘアメイクもしてもらえると言う。
説明を受けてからロボロと別れ、お互いがどれを選んだのかを楽しみにして着替える。

「わあ…」

鏡に映る自分はまるで別人のようで、彼をイメージしたピンクのドレスがふわりと足元で踊る。
着替えを終えて、スタッフさんに案内されたのはお店の外で。
そこで待っていたのは、タキシード姿のロボロ。

「A…やっぱりピンクなんやな」

「ふふっ、ロボロのネクタイもピンクなんだね」

「うん…大切なことを伝えたくてな」

「え?」

夕陽の中、徐々にライトが灯っていくストリート。
何が始まるのかと集まる視線と、ロボロの真剣な眼差しが私の鼓動を速めて行く。

「A、首を振るだけでもいい…」

手を取られ掌を上向きにされると、乗せられたのはピンク色の小さな箱。
開けられているそこには、夕陽に反射して煌めく指輪が。

「これからも、俺はAをでっかい愛で幸せにしていく」

それは、密かに何度も夢見ていた言葉。

「俺と、結婚してくれんか?」

「…はいっ」

お姫様のようなドレスに身を包んだ私を、王子様のような彼は強く抱きしめる。
周りからは、割れんばかりの拍手が。
私達はこれから夫婦として、これからも同じものを見ていけるんだね。