【夢短編集②】 (ページ18)

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rb…心配症彼女(切り傷) ページ18

初めて、ロボロのお家でご飯を作る事になった。
メニューにたくさん悩んだし、不慣れな料理。
母親に怪しまれながら包丁の使い方やピーラーの使い方を練習した。
大丈夫、私ならやれる!!

「何作るん?」

「定番の肉じゃがです!」

「ふふ、張り切ってんな～。籠貸して?重いやろ」

二人で来るスーパーだなんて、ちょっと新婚さん気分でニヤついてしまう。
服の端っこを掴んで、材料を選ぶ。

一人暮らしが長いロボロの前で失敗はできない。
でも悔しいけど、ロボロの方が詳しい。

「ん～、ジャガイモはこっちやろなぁ」

「はーい」

「牛肉～、と」

「ふふ、なんか頼りになる旦那さんみたい」

ぽろっと出た言葉、意識なんてしてなかった。
お肉を取るロボロの手が止まり、どんどん赤くなっていく。
それに釣られて私も顔が熱くなってきた。

「あっ、あのっ、違くって…」

「いや、うん、ええよ、うん…あ～顔がやばい」

お互い顔が緩みきってて、ただスーパーにいるだけなのになんだかとても幸せだった。

「さあ、腕の見せ所!!」

「大丈夫か～?指切らんといてな?」

「大丈夫!練習してきた!!」

「あははっ、練習したんか!」

キッチンのカウンターから覗き込んでくるロボロ。
私は練習した通りに、ジャガイモや人参の皮を剥いて切っていく。

「うぁーんっ」

「そんなっ!あはははっ、玉ねぎ滲みた?」

「痛ーい、涙出る～!!」

「あはは、目ぇ赤くなってんで。代ろか?」

「大丈夫だもん」

そう言った時だった。
涙に気を取られていたのと、玉ねぎを不安定に持っていたせいで、ザクンッと切った瞬間。
痛みより先にやってしまったと、心臓が一瞬止まった。

「あ!!お前、切ったんちゃうか!?」

声が出ない、震える左手を見れば人差し指からどんどん血が溢れてくる。

「え…あ…ロボロぉぉ」

「あ～、やったな?!A、包丁置き!」

「やぁぁ、切ったぁぁ!」

「大丈夫やって、押さえとけば止まるから」

「死ぬ～」

「死なへんって、もう～。ほら、おいで」

ロボロの肩に顔を埋めて、失敗した事と切った怖さと玉ねぎのせいもあって涙がぼろぼろ溢れる。

「血止まる?指取れた?」

「そんな簡単に取れへん!A、えらい可愛い事言うなぁ?怖かったん?」

「…痛いぃ」

「そら痛いやろ。大丈夫やって、止まるまで俺が押さえとったるから。それまでこうしとき?」

そう言って、ロボロは私を抱きしめたまま指をタオルで包んでてくれた。
完成した肉じゃがは、ちょっと甘すぎたかな。