sha…心配症彼氏(乗り物酔い) ページ17
「シャオちゃん、早く早く!!」
「わかったから、あんまはしゃぐなって。恥ずいってもう」
「遊園地とか久々だよ?嬉しいっ」
今日はシャオちゃんと遊園地デートで、遊園地なんて高校以来でシャオちゃんとは初めて来る。
朝からワクワクは止まらないし、着いたら尚更スキップしたくなるくらい嬉しかった。
そんな私の手を、止まれってと引っ張るシャオちゃん。
「も〜、そんな嬉しいん?」
「うんっ、晴れて良かったね」
「Aが嬉しいんやったら俺も嬉しいわ」
どれから乗る?そんな話をしながら園内を回る。
ジェットコースター、お化け屋、フリーホール…全部乗ろうよなんて笑いながら。
ポップコーンを摘んだり、観覧車のてっぺんでカップルイベントどころか揺らし始める私達。
降りて思い出して笑って、夜に乗ろうねって話す。
「次は?」
「コーヒーカップ行かへん?」
「いいね、乗ろう!でもあんまり回さないでね?」
「任せとけ〜?ばっちり回したるやんか」
「ダメだって!!」
忘れてはならなかった。
私は楽しさのあまり忘れていたんです、そう…彼は。
「オルァァァァ!!」
「シャオちゃん、速い!!目が回るー!!いやー!!」
発作持ち。
動画内でそんな風に言われるけど、ここでまさか本当に発揮されるとは思ってなくて、思いっきり回るコーヒーカップ。
あ、死んだなって思った。
「…うっ」
「ほんま、ごめん!ほんっまごめん、A!!」
「大丈夫、だよ…」
「いやあかんやろ、めっちゃ顔色悪い…待っててな!」
私はベンチに座って項垂れて足を投げ出し、猛烈な吐き気と戦う。
大丈夫と思ったんだけどな。
「A、お水!あとおしぼり貰ってきたから」
「シャオちゃん、ありがと」
「ええって、俺のせいやし。ごめんな?横なる?車戻って寝る?おんぶしたろか?抱っこがええ?」
足元に蹲み込んで私の手を握ったり摩ったり、弱いねって笑われるかと思ってたけど。
「…A、俺の事嫌んなった?」
「ならないよ、大丈夫」
私の手をずっとにぎにぎするシャオちゃん。
頰に触れると、私よりも彼の方が泣いてしまいそうで笑みが溢れてしまう。
「シャオちゃん、治ったら観覧車乗ろう?」
「俺はええけど、A乗れるん?大丈夫?具合悪くならへん?無理せんでええよ?」
「もう…心配症だなぁ。その時はシャオちゃんに抱っこしてもらう」
「ほんまにな?頼ってな?」
もう十分、頼りになってるよ。
観覧車乗ったら今度は、てっぺんでしようね。
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作者名:芝谷 | 作成日時:2019年11月6日 19時