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special sweet…gr(1) ページ49

私の彼氏の部屋は初見だと吸血鬼かなんかが住んでそうな部屋だ。
黒を基調とした家具類、黒が多い小物、黒いカーテンに黒いラグ。
ベッドカバーはワインレッドだけど。


「グルッペン!!いい加減起きてっ!!」

ジャッ、と音が鳴るほど勢いよく黒いカーテンを開け部屋に陽光をたっぷり入れてやる。
幸い日当たりの良い部屋に住んでいるので、ベッドに神が降臨するかの如くピンポイントで光がさす。

「ぐあっ!!……貴様は俺を殺す気かッ……」

「人間はお日様の光で死にません、もうお昼だよ?」

「目がッ……目が開かん、焼けた、よし!回復のために寝るとしよう」

くるっと壁に背中を向けて布団を被り寝直す彼。

「もぉ〜、起きてってば〜!!ねえ〜!!」

何回目だろう、今日彼を起こすのは。
せっかくお泊りしてからのデートの日なのに。
もふっとグルッペンがいるであろう部分に布団の上から上半身を乗せる。

「……ぐぅ」

「寝たふりよくない!グルッペン〜」

「…こ、のッ!!」

ぽふぽふお布団を叩いていたら、突然起き上がられたせいで私の体は足元の方へ転がってしまった。
それを良い事に私を組み敷いて満足げなグルッペン。

「全く、朝からお前は……そんなに俺に甘えたいか?」

「そうじゃなくて…。ね、どいて?」

「断る、俺を無理に起こした罰だろう?」

ぐっと胸板を押し返しても退いてくれる様子はなく、眼鏡を外しているため無意識に細められた瞳は鋭く、口元が妖しく笑う。

「大体、俺は寝起きの方がクるのを知ってるだろうが」

「だって、せっかくお休み一緒なのに……寂しいじゃん」

「……良いなそれ、素直なのは好きだ。でも、俺が起きないのが寂しいってのは唆られるな」

陽光に照らされた金髪がきらきら光り、陽を背に浴びて陰る顔は危険な香りがして、それは私が彼に一目惚れたした部分で。


頰を撫でられ、首筋に指が這い、鎖骨をなぞられ唇で優しく食むようにされると呼吸が速くなる。

まるで吸血鬼を連想させる、グルッペンは私の首筋を執拗に愛で味わい焦らす。
何度も、右と左。顎下にも唇は這う。
唇には触れられないまま。

「…ん、グルッペン」

「ん?なんだ?」

唇にしてほしいなんて言えるわけもなく、目で訴えてみるけれど、彼は応えない。
分かっていて、絶対答えないのだ。

「欲しいものがあるなら言わんとわからんぞ?ん?」

「…ぅ」

「言えるまで、ここは無しだ」

金髪を許してグルッペンが私の体に沈み込み、私は短く息を吐く。

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作者名:芝谷 | 作成日時:2019年11月6日 19時

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