検索窓
今日:3 hit、昨日:8 hit、合計:263,258 hit

13 お勉強とキス ページ14

Aside


客間のような部屋に招かれる。
これから炭治郎とこっそり勉強会だ。


「これはこうだ、こうやってああやる」

「どういうこと、炭治郎?」


炭治郎は教科書を指さし、すっとなぞりながら教えてくれる。
炭治郎は覚えることは得意だけど教えるのはあまり上手ではないのか
教えてもらう勉強内容の理解はなかなか苦しむ。

私はできない課題を必死に解いている。
炭治郎はやることが早いので課題は終わってしまっていた。

案内してもらった部屋で炭治郎と二人きり。

ちょっと緊張してしまうのだけど頑張ろう。

最初の30分ぐらいは集中できていた。
なんとなく集中力が切れてきてくつろいでいる炭治郎ちらりと見る。

体育館の裏や空き教室みたいな私と炭治郎以外が誰もいない二人だけの空間。
そんな空間は二人にとってはキスができる、恋人と触れ合える貴重なもの。
今もまさに二人きり、キスだってできる。
むしろしなきゃなんて思ってしまう。

私の視線に気づいた炭治郎は手を差し出す。


「A、おいで」


炭治郎のおいでという言葉はもの凄く甘えたくなる気分になる。

私は勉強もしたかったけど、その言葉を聞いて躊躇なく抱き着いてみる。
学校だったらできたか分からない、雰囲気に呑まれてしまった。


「自分から抱き着いてきてAはいい子だなあ」


炭治郎の手が優しく頭に置かれる。
妹扱い?なのだろうか、でも長男力が溢れ出ている炭治郎に撫でられるのは素直に嬉しい。

炭治郎の長男力にゆったりと浸る。
休憩し始めてから数分が経った、炭治郎はじれったい顔でこちらを見る。


「A、唇が寂しい」

「……私も」


雰囲気に呑まれて炭治郎に甘やかされた私はキスをしてもらおうと準備をする。
顔を近づけるために頑張って身を乗り出してみた。

キスがしたい気分、炭治郎の唇の感触が欲しい。

けれど私の唇を抑えるかのように炭治郎の手が立ちふさがる。
炭治郎はにっと笑ったと思えば私に囁く。


「…やっぱり、唇が寂しいけどちょっと我慢しようかな」

「……えっ?」

「Aは一生懸命、勉強してるんだもんな。俺、長男だしAのためにも我慢するよ」


炭治郎はそう言うとそっと私から距離を置く。
何がいけなかったんだ、どうして拒むの。
炭治郎に再度、甘えようとするけど混乱しちゃって何もできない。

せっかくこっちがその気だったのに少しがっかりしてしまった。

14 おあずけ→←12 パン屋の息子



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (416 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
915人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

シノブ(プロフ) - ヤバイヤバイめっちゃドキドキしました!!ドキドキをくれてありがとうございます<(_ _)> (2022年4月9日 9時) (レス) @page42 id: 1ffddb9be4 (このIDを非表示/違反報告)
ふわむにゃ(プロフ) - ぽぽぽぽぽさん» コメントありがとうございます!甘い炭治郎が書けて良かったです! (2020年5月22日 9時) (レス) id: a6eb1143e2 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぽぽぽぽ - ごはぁ!(炭治郎にやられた音)面白いです! (2020年5月7日 12時) (レス) id: 7a7fe6581f (このIDを非表示/違反報告)
ふわむにゃ(プロフ) - ロゼオさん» わ〜!ありがとうございます!!また書きます!更新頑張りたいと思います、感謝です…!! (2020年4月1日 18時) (レス) id: a6eb1143e2 (このIDを非表示/違反報告)
ロゼオ(プロフ) - とても面白かったです!こんな感じのちょい甘が好きなのでまた書いてくれると嬉しいです!煉獄さんの小説の更新頑張って下さい! (2020年4月1日 15時) (レス) id: dea7ecbd36 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ふわむにゃ | 作成日時:2020年1月20日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。